2004年02月17日(火) 11:43
昨年のセール出身馬も抜群の勝ち上がり率を記録。アメリカでケンタッキーダービー前売り1番人気のライオンハート、日本でもオープン馬ウェディングバレーらを輩出している「ファシグティプトン・コールダーセール」の開催が、2月24日(火曜日)に迫った。
15日(日曜日)に行われた1回目の公開調教で、1F=9.8秒というスーパータイムをマークしたのが、上場番号95番の父グッドアンドタッチの牝馬。父にG1勝ち鞍はなく、母にも兄弟にもブラックタイプは居ないが、これだけ破格の時計を出せば、バイヤーの注目が集まらないわけはない。
2Fの最速時計21.2秒は、3頭がマーク。上場番号177番の父アニーズの牝馬は、叔父に2歳重賞デビュータントS勝馬ムーヴがいるという牝系もそこそこ。父は99年の全米2歳チャンピオンで、この世代が初年度産駒となる。5月生まれで、まだ成長の余地を残していそうだ。上場番号210番の父ノットフォーラヴの牡馬は、これまで競走年齢に達した3頭の兄のうち2頭がそれぞれ5勝を上げているという優秀な母の産駒。1歳時の仕入れ値が23万ドルだから、馬も悪くないはずだ。上場番号223番の父ワイルドワンダーの牡馬は、牝系は中の下。父はロングエイカーズマイルをトラックレコードで制した快速馬で、この世代が初年度産駒となる。
血統的な注目馬では、上場番号6番が、父エーピーインディ、母がG1ハリウッドオークス勝馬という牝馬。1回目の追いきりも2F=22.4秒と、水準以上の時計をマークしている。上場番号48番は、父がこの世代が初年度産駒となる“アイアンホース”ジャイアンツコウズウェイで、叔母が英オークス馬ジェットスキーレディー。1回目の追いきり1F=10.6秒。上場番号116番は、父がチャンピオンサイヤーのストームキャット、祖母がナンバーという牡馬。近親に、ジェイドロバリー、ヌレイエフ、サドラーズウェルズ、サッチ、エルコンドルパサーらの名が並ぶ近代の名門ファミリーである。1回目の追いきりでも、2Fでは2番目の時計となる21.4秒をマーク。順当なら最高価格馬の候補だろう。上場番号119番は、父がアンブライドルズソング、兄にG1だった時代のフォンテンオブユースS勝馬ソングアンドアプレイヤーがいる牡馬。1回目の追いきり1F=10.6秒。上場番号186番も、父がストームキャット、母がBCジュヴェナイルフィリーズを制した2歳牝馬チャンピオン・イライザという牡馬。1回目の追いきり1F=10.2秒と好時計をマークし、これも高値必至だろう。上場番号234番は、ハスケル招待Hなど昨年G1・2勝のピースルールズの弟。父はスピード系のフォレストワイルドキャットだ。これも1回目の追いきり1F=10.2秒と好時計をマークし、注目の存在だ。
この後、2月22日(日曜日)に行われる2回目の公開調教を経て、24日(火曜日)に市場が開かれる「ファシグティプトン・コールダーセール」。結果は3月3日のこのコラムでお伝えしたい。
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合田直弘
1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。