週刊サラブレッド・レーシング・ポスト

2004年02月24日(火) 18:16

 今週は3月2日(火曜日)にカリフォルニアで行われるバレッツ・マーチ・2歳トレーニングセールの展望を行いたい。本来ならば1回目の公開調教の時計と合わせてお届けする予定だったのだが、2月23日(月曜日)に予定されていた追い切りが、悪天候による馬場コンディションの悪化で、日本時間の水曜日以降に延期となったため、血統的な注目馬のみ御紹介することにしたい。

 上場番号70番の父スマートストライクの牡馬は、祖母ブレーヴラジがBCジュヴェナイルフィリーズを制した2歳牝馬チャンピオン。いとこにG2ブリーダーズフューチュリティーの勝馬で、目下ケンタッキーダービーへ向けた前売りで1〜2番人気を争っているユーロシルバーがいる。

 上場番号71番は、アップルブロッサムHなどG1・3勝のグルメガールの妹。父は、G1メトロポリタンマイルの勝馬で、この世代が初年度産駒となる期待の若手種牡馬ヤンキーヴィクターだ。

 上場番号85番の牝馬は、昨年のBCディスタフ勝馬アドレイションの半妹。父はオナ―グレイズから、アウトオヴプレイスに変わっている。

 上場番号94番の牡馬は、母がG1エイコ―ンS勝馬スタードレディーアン。おばにG1フラワーボウル招待H勝馬アーンティーメイトがいるという活力ある牝系の出身だ。これに父がチャンピオン・サイヤーのデピューティミニスターだから、実馬に問題が無ければ高値必至だろう。

 上場番号96番は、BCスプリント勝馬ケイジャンビートをはじめ、産駒が大活躍しているグランドスラムの牡馬。祖母がG1サンタアニタオークス、G1ハリウッドオークス、G2デルマーオークスと、南カリフォルニアの主要3場におけるオークスを総ナメにしたヒドゥンライトと、牝系も1本筋が通っている。

 上場番号116番の牝馬は、母が牝馬ながらチリの年度代表馬になった名牝ヴァルガーディナ。父は日本向きのシアトリカルで、馬の出来次第では日本人バイヤーが食指を伸ばすかもしれない。

 上場番号144番の牡馬は、イズリンH、ジェロームHとG1・2勝のショスバーグの弟。父はブロードブラッシュからデピュ―ティミニスターに変わっている。

 上場番号149番の父サイフォンの牡馬は、G1ハリウッドフューチュリティー勝馬サイフォニックの全妹。おじに、重賞を4勝して、G1パシフィッククラシックでも2着となっているディキシードットコムがいる。

 上場番号152番は、G1フューチュリティS勝馬アゲインコートの妹。父は、G1ハリウッドフューチュリティーを含めて3戦3勝、目下ケンタッキーダービーの最有力候補と目されているライオンハートを出した、テイルオヴザキャットだ。

 上場番号165番は、チャンピオンスプリンター・コナゴールドの半弟。父は、BCマイルの勝馬でこの世代が初年度産駒となるウォーチャントだ。

 上場番号187番は、産駒が残り少なくなりつつあるシアトルスルーの忘れ形見の1頭。母ハーテンパーがG2ボーモントSの勝馬と牝系も良く、2002年のキーンランド・ノベンバーセールで35万ドルという高値で仕入れられている。

 上場番号218番は、“アイアンホース”ジャイアンツコーズウェイの初年度産駒となる牝馬。母ミッシーズミラージュも、ヘンプスヘッドHをはじめ2つのG1を含めて、4重賞を制している活躍馬である。

 なお今年のバレッツ・マーチセールは、お馴染みの2歳セールに先立って、故アーメド・サルマン殿下のサラブレッド・コーポレーションによる、最後のディスパーザルが行われるのも話題となっている。重賞勝馬アトランティックオーシャン、ヒシアマゾンの妹ワードオヴマウス、BCターフ勝馬ジョハーの妹アンシェントアートなど、繁殖牝馬として大変価値のある牝馬が多数上場されるので、こちらの結果にもぜひ御注目いただきたいと思う。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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