GI馬の復活に期待/ニューイヤーS

2015年01月16日(金) 18:00


中山1600mに対する高い適性

 距離が長かった3歳春の日本ダービーを13着に沈んだあと、脚部不安で約20ヶ月もの長期休養があったアルフレード(父シンボリクリエス)の復活に期待したい。

 NHKマイルCを2着のあと、ダービーを含めて【0-0-0-6】だが、前回のオーロC1400mの4着は凡走ではない。17頭立てで出負け。後方からの追走になったうえ、なかなかエンジン全開とならなかったから、直線、横に広がった馬群の1番外に回るロスがあった。上がり3ハロン33秒2で猛追し、差は0秒1だけ。

 当時は馬体調整の4ヵ月半ぶりで、乗ってはいたが速い追い切り時計は少なく、12番人気が示すように決してかんばしいデキではなかったろう。でも、長い休みの影響で、スランプ状態だった4歳から5歳秋までの不振脱出はみえた。

 今回の短期間の休養は、休み明けを快走した反動が出るのを嫌って万全を期すための放牧であり、帰ってからの乗り込み量、時計本数は前回以上。ほぼ完調に近い。530キロを超す大型馬の休み明けだが、気のいいスピード系らしくポン駆けはOK。

 祖母ラトラヴィアータ(父サクラユタカオー)は、代を経てもまったくスピード能力を失うことなく、長く種牡馬として大活躍したサクラバクシンオーの全妹。サクラユタカオー、サクラバクシンオーの父系は日本でもっとも長期間存続している父系であり、その理由のひとつは父系独特の「柔らかい筋肉」にあるといわれる。冬場は動きが硬くなるから成績もう一歩とかの死角がないのである。

 アルフレードの中山芝1600mは、新馬1着。GIの朝日杯FS1着。そして昨春の東風S6着だが、東風Sは20ヶ月の休養から間もなくスランプの時期であり、それでも0秒4しか負けなかったから、かえって中山1600mに対する高い適性を示す記録としていいだろう。明けて6歳となったが、まだキャリアは11戦のみ。ましてサクラバクシンオーの一族なら、活力の薄れるような年齢ではない。偶数枠も幸運。

 力量馬、好調馬の少ないオープン特別であり、そう手を広げずに、サトノギャラントアーデントの2頭が本線。伏兵ランリョウオーコスモソーンパークが外に行ってしまったから、この2頭はあくまで押さえ。連穴なら1番を引いたペイシャフェリス

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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