2004年03月17日(水) 12:06
目先に大目標があると、前哨戦の見方にも奥行きが出てきて面白さが倍増します。取り合えずは桜花賞。チューリップ賞とフィリーズレビュー、2つのトライアルが終わり。これにクイーンC、フラワーCを結びつければ結論が出る筈です。
このように路線をはっきり辿っていけばその先にG1があるという、分かりやすいことで興味が盛り上がるのでして、今の競馬は参加しやすくなりました。ですから、考えやすいG1戦の成績がいいという素直なファンが多いのです。
少しでも高いところに目標をおくのは当然で、クラシックレースは、その最たるものですから、どの陣営も、意地をかけてこの路線を目指してきました。牝馬第一弾のレースに向け、やるだけのことはやったという思いで決戦を待つばかりでしょう。
お互いの力関係は、見解の相異はあったとしても、それぞれが、それなりに掌握して臨んできます。少し足りないと思えば、残る期間でさらなる向上を目指し、争覇圏にあると思えば、最後の詰めをどう整えていくかに神経を集中し、ここまで来れば待ったなし、枠順発表までこの思いは続きます。
一方、実際に手綱を取る騎手たちにも、その一瞬に賭ける思いが膨らんでいます。
ここまでの戦いの中で、有力馬に騎乗する者たちが、どんな感触をつかんでいるか。これを考えるのが重要で、それによってレースに臨む自信度がつかめます。ある意志を持って前哨戦を戦ってきたかどうか、その成果はあったのかどうか。これは、その心の内を察するしかないのですが、その材料として、レース後の談話がものをいいます。
さらには、トライアルがその馬たちにとってどんな事情になっていたか、これも大切な要素です。出走権利を取るために精一杯であったものの次はあるのかどうか。ここまでの前哨戦の中味を吟味するのは楽しみです。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。