新馬戦一走化の影響は

2004年03月31日(水) 12:52

 今年のクラシックは、新馬一走化が実施されて最初のレースになります。

 去年の6月からスタートし、この3月21日まで行なわれ、250レースが消化されました。一走化に伴ない一着賞金が700万円と100万円増額されたことにより、皐月賞18頭枠の最低収得賞金額がその分だけ高くなりました。新馬を勝つことの意味が、それだけ大きくなっています。

 去年の五大クラシックと秋華賞を加えた六大G1戦の結果を見ると、上位5着までは、ほとんどが新馬勝ちを記録した馬ばかりです。当然、その傾向は今年にも充てはまり、出走予定馬の多くがそうなっています。

 桜花賞は、抽せん枠を除く上位17頭のうち11頭が新馬勝ち、また皐月賞は、一部動静のはっきりしない馬がいるとしても、上位18頭のうち、8頭が新馬勝ち、有力馬の多くがこの中に入っています。北海道ケイバのコスモバルクという異色がいますが、今のところ、新馬勝ちがそれぞれのレースの上位を占める勢いにあると言っていいでしょう。当然、クラシックの行方は、その辺を手がかりに探っていくことになるのですが、この新馬一走化の影響が、何か新しい方向を生むものかどうか、一応は気にするところです。

 ところで、一走化となったことで、新馬戦に騎乗する騎手の立場も、より重要になりました。250レースが終わって、騎手別の新馬戦勝利数をまとめてみたのですが、次のような結果になりました。

 第一位が武豊の22勝で群を抜いており、第二位松永の13勝、そして安藤勝が第三位で12勝、以下、藤田、福永、ペリエの各11勝がこれに次ぐ勝利数となっていました。信頼の手綱をどの騎手にまかせているか、その辺の事情がはっきり読み取れます。特に武豊騎手は、皐月賞出走予定の18頭のうち、新馬、初勝利の未勝利戦を含めて5頭もの馬の初勝利にからんでいて目立っています。さて、本番は。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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