クラシックのドラマ性

2004年04月07日(水) 11:47

 桜花賞、皐月賞、春のクラシックの第一ラウンド。どちらも今年は面白い。わくわくするではありませんか。

 ここまで来る過程で、それぞれ有力馬に挙げられている関係者が語った言葉のひとつひとつが思い起こされます。皆さんの思いがどれほど大きいか、だからこそクラシックの意味が重く感じられます。

 クイーンCのダイワエルシエーロの松田国調教師は、東京への遠征をクリアーした満足感から、あとひと息の成長があれば、桜花賞はもちろん、オークスから牝馬三冠をも意識できると大きな抱負を述べていました。騎乗する福永騎手も、桜花賞で2着したロンドンブリッジが母で、この馬は特別と言い切っていました。

 ダンスインザムードは、クラシック未勝利の藤沢和厩舎。母ダンシングキイゆかりの武豊騎手となれば、これは当然の成り行きとも思えますが、これまで厩舎のクラシック有力馬に彼が騎乗したケースは無く、リーディングトレーナーに依頼された今回は、意欲十分、ベストを尽くしてなんとか勝利をと燃えています。

 スイープトウショウは、引退した渡辺栄調教師が管理していたときは、愛弟子の角田騎手が手綱を取っていましたが、鶴留厩舎に移ってパートナーは池添騎手にバトンタッチされました。新婚生活に入ったばかりの彼は、桜花賞を勝ってから波に乗り、デュランダルでG1・2勝。目下売り出し中です。角田騎手のめぐり合わせの悪さは気になりましたが、その分、馬のために頑張ってくれるでしょう。

 ムーヴオブサンデーの安藤勝己騎手、2歳牝馬チャンピオン、ヤマニンシュクルの四位騎手と、ここまでくると馬のこと以上にそれに関わる人間の顔の方が浮かび上がって来ます。クラシックのドラマ性は、そういうところから始まるものでしょう。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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