かなり父に近い中身のダービー制覇/日本ダービー

2015年06月01日(月) 18:00


皐月賞から一転、優等生の正攻法

 皐月賞を圧勝した素晴らしい能力が評価され、断然の支持を受けたドゥラメンテ(父キングカメハメハ。母アドマイヤグルーヴ)が、期待に応え「2分23秒2」の日本ダービーレコードで快勝した。

 激しい闘志を秘めた気性から、皐月賞と同じようになだめて進むのではないかと予測されたが、平常心だったという装鞍所から、パドック、本馬場入場、そしてレース内容まで、ドゥラメンテは古馬のように落ち着いていた。みなぎる気迫を全身に示すときより、一見、ピーク過ぎを思わせるように「落ち着き払い、枯れてみせるくらいのときに全能力が出せる」という例えがあるが、まさに今回のドゥラメンテがそうだった。

 堀調教師以下、スタッフの快心の仕上げであり、M.デムーロ騎手は作戦を用いる必要がなかった。ゆっくりスタートしたと見えたのに、首を上げている隣りのリアルスティールをスッーと交わして1コーナー過ぎには7-8番手。皐月賞とは一転、優等生の正攻法である。

 高速馬場を意識し、また皐月賞を1分58秒2で楽々と乗り切った今年のメンバーの全能力を発揮するためには、「俺がレースを作ってやる」。そんな横山典弘騎手がペースメーカーとなって、前半1000m通過「58秒8」。少し速いのではないかとみえたが、終わってみれば前後半「1分11秒3-1分11秒9」=2分23秒2。紛れを許さない厳しい平均バランスの2400mだった。勝ち負けに関係した1着から4着まで、上位5番人気以内に支持された馬だけであり、行って2分24秒6のミュゼエイリアン(10番人気)も、10着に粘っている。

 キングカメハメハ産駒のドゥラメンテは、父の産駒として・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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