道営ホッカイドウ競馬開幕

2004年04月27日(火) 14:26

 4月21日、今年度は札幌からのスタートとなった道営ホッカイドウ競馬が開幕した。初日、二日目と、売上は計画比約30%増の計3億1846万円余。まだ桜も開花していない北海道は、戸外で競馬を楽しむにはやや低めの気温だが、今週半ばよりは平年並みの気温に戻るとの予報も出ているので、このままのペースで連休に大きく売上を伸ばしたいところだ。

 その連休(5月3日)には、待望の「中標津(なかしべつ)場外」がオープンする。二階建で駐車場も100台分のスペースを持つこの場外は、昨年より準備を進めてこのほどようやく連休に合わせての“営業開始”となる。

 他にも、今年度の新設場外発売所は、名寄市と札幌市内(JR札幌駅前)の二箇所あるとのことだが、これが果たしていつの開場となるものか。一説によると、どうも今季開催中にはオープンできないのではないか、とも聞こえてくるので、いささか気になるところ。

 いまさら「言わずもがな」のことだが、広い北海道ではなおのこと、場外発売所の充実が売上を伸ばす唯一の道である。とりわけ、札幌圏の人口集中地区に場外はいくつあっても良いはずだが、その計画がなかなか実現しないのはいったいどこに原因があるのだろうか。

 札幌駅前に新設予定という場外もついに今年度の開幕に間に合わないどころか、開催中にもオープンできないのであれば、これは怠慢のそしりを免れまい。札幌競馬場の平日開催で駐車場の確保に苦労した経験を持つファンも少なくないことを考えると、かえって郊外の幹線道路に面した場所を間借りして場外施設を複数新設した方がずっと売上増につながるはずなのだが・・・。

 その一方で、馬産地日高のバックアップは今年も昨年以上に強力なものとなっている。日高からの「道営競馬応援ツアー」と称する無料送迎バスを運行したり、サポーターズクラブ(ホッカイドウ競馬所属馬の仮想馬主となって応援してもらおうという制度。2001年より実施し今年度の募集馬は130頭)やスタリオンシリーズ(種牡馬の種付け権利をレースの副賞として贈呈する制度。今年度は65頭の種牡馬が名前を連ねている)など、馬産地ならではの協力体制を組んでいる。

 私事ながら、来る4月29日には札幌競馬場にて「浦河青年会議所創立30周年記念事業」の一環として、アトラクションの「ウルトラクイズ」の司会を務めさせていただくことになった。場所は、正門を入ってすぐ左のレストランとパドックの間にある「休憩室、救護所」のあるところ。時間帯は12時30分から13時までとなっている。「馬博士クイズ」と銘打ったこの企画は、毎年夏に浦河で開催される「シンザンフェスティバル」の中のイベントの一つだが、当日は「道営競馬を中心にした競馬関連のクイズ」で上位10名に豪華景品をプレゼントする予定。もし、このコラムをお読みの方で29日に札幌競馬場に来られる方がいたら、一声かけていただければと思う。

 とはいえ、どうも存廃問題が浮上してからの道営競馬は、馬産地日高の人々だけが躍起になって努力しているような印象を受ける。決してそんなことはないのかも知れないが、しかし、どうも道営とはいいながら北海道全体で競馬の灯を絶やさぬように盛り上げようとしているとはとても思えない。その最たる例が遅々として進まぬ札幌場外の新設問題ではないだろうか。

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田中哲実

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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