2015年06月26日(金) 18:00
だが、アンズチャンからさかのぼる7代母は、1952年のケンタッキーオークス、CCAオークスなどのリアルデライトであり、この牝馬は輸入種牡馬ボールドアンドエイブル(祖父ボールドルーラー)の母になる。輸入種牡馬フォワードパス(米2冠馬)もこの牝系。種牡馬アリダー(レイズアネイティヴ)、エルセニョール、ハットトリックの血統表に出てくる種牡馬コデックスなども同じ一族の著名馬。
さかのぼる牝系は1840年代にイギリスからアメリカに渡ったファミリーであり、150年以上も「ダートホース」を送り続けてきた一族になる。配されてきた種牡馬はみんなダートでこそのアメリカ血統であり、4代母の父にはミネソタマック(伝説のヒムヤー系)も登場する。
その分枝レガシーオブストレングスが日本に渡って、「サンデーサイレンス」→「エルコンドルパサー」→「フレンチデピュティ」を配されたのがアンズチャンの血統背景だから、少々芝適性も加わっただけで、根底に流れるダート血筋は少しも薄まることはない。
アンズチャンは、東京ダート1400m【4-4-0-1】。前回は、格上がりのオープン特別「欅ステークス」を1分23秒3(上がり35秒4)で0秒3差の2着に突っ込んでいる。
問題は、おそらく湿ったダートで、1分22秒台に突入しても不思議のない時計勝負を、後方からの「直線一気」の末脚で通用するのかどうか、である。
下げての直線勝負は、全体時計が速くなるだけに有利ではないが、ここは「旧オープン」の4歳馬はアンズチャンただ1頭だけ。1分23秒3は、良馬場でのものであり、東京ダート1400mを9戦したうち、なんと7回も上がり3ハロンを「35秒台」でまとめている。
こういう切れ味勝負の追い込み馬に乗せたら天下一品の横山典弘騎手にチェンジしてきたプラスも大きい。今週の馬場なら、少なくとも最高時計の「0秒5」以上の短縮は可能だろう。先週のユニコーンSのノンコノユメ(父トワイニング)くらいは切れるはずである。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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