崩れる危険は小さい/白河特別

2015年07月24日(金) 18:00


珍しい要素が2つ

 福島の芝コンディションは、1開催が進んだ程度ではほとんど「馬場差」が生じなくなっている。先週あたりから外差しの決まる中京とは大変な違いで、天候の大きな崩れもなさそうな今週は、前6日間と同じような芝状態と考えていいだろう。

 このレース、関東圏の主要開催のメインレースとしては、今年初の「1000万条件」になる。このあとの新潟12日間にも1000万下のメインはないから、中央場所に準ずる開催としては、年に1回の珍しいメイン競走である。

 さらにもっと珍しいのは、11頭のうち「7頭」までが、7月5日の今回とまったく同条件の「さくらんぼ特別」の出走馬によって占められていることか。

 そこで最先着の2着したゴールドペガサス(父アドマイヤオーラ)が圧倒的な1番人気になるのは確実であり、また、崩れる危険も小さいと思える。

 前回は14頭立てだったが、今回は11頭立て。これはどの馬にも魅力的だが、ただ1頭の3歳馬ゴールドペガサスにとっては、もまれる危険が少ないから、もっとも有利。

 前回は、元1600万下の4歳馬を含む古馬との初対戦だったが、今回は古馬との対決も2度目。また、元1600万に相当する4歳馬がいないのである(公営からJRAに戻ったマンハッタンヘンジは前回500万を勝ったばかり)。

 この時期、急成長するのは3歳馬と4歳馬だが、3歳馬はゴールドペガサスだけであり、怖い4歳馬もそのマンハッタンヘンジ1頭だけ。毎回のように乗り代わっているから、1度騎乗したことのある蛯名騎手なら、鞍上にも死角はないだろう。

 条件が揃い過ぎたのが、勝負ごとでは意外な「死角」ではあるが、この頭数で上位人気は3-4頭に限られるから、消しても決して高配当が待っているわけでもない。買うならば、ゴールドペガサスだろう。

 祖母になる輸入牝馬スルーシーツー(父シアトルスルー)を経て、6代母にあたるプリティワン(1947年。父ブルドッグはテディ直仔)は、有馬記念を勝ったリードホーユーの父マラケートの祖母になる。

 馬場差がほとんどないとすれば、さくらんぼ特別の翌週、まったく同じ1分08秒4(中身もほとんど同一)で勝ってきた4歳マンハッタンヘンジ(父ザール)は怖い。いま充実期の4歳馬であり、祖母イシノリード(父コマンダーインチーフ)は、1996年の皐月賞馬イシノサンデー(父サンデーサイレンス)の半妹である。妙味のありそうな伏兵は、昨年の福島で芝1200mを1分08秒6で抜け出して勝った5歳ボブキャット(父は目下絶好調ダイワメジャー)か。7歳ダノンシャークの4分の3同血の弟になる。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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