2004年05月26日(水) 12:50
ダイワメジャーにイングランディーレ、この春は巨漢馬の活躍が話題になっています。
そして、ダービー。過去、500キロを超える馬の優勝は、昭和52年、ラッキールーラーの534キロが最初でした。それまで巨漢馬の優勝はムズカシイと言われていた定説を覆したのがこの馬ですが、その頃の馬は今ほど大きくはありませんでした。それから4年目、カツトップエースが520キロで春のニ冠を達成しましたが、この辺から馬体重のある馬が増え、全体にダービー出走馬は大きくなっていったようです。
今年の皐月賞馬ダイワメジャーは528キロで、巨漢馬がテーマとすれば、当然実績から注目されるところです。他では、青葉賞で急上昇したハイアーゲームが500キロ、出走にこぎつけたアドマイヤビッグが526キロで前走出ていて、巨漢ビッグ3といったところです。
さて、果して大きなことが有利なのかという問題ですが、以前は多頭数をさばくのに不利だと見られていました。ダービーを勝った巨漢馬はいずれも先行脚質で、馬群に苦しむということはありませんでした。
ところが今はフルゲートが18頭と少なくなり、昔ほど不利ではなくなりました。さらに、多くの前哨戦が全体にゆったり流れるケースばかりで、それを乗り切って来た馬たち同士の勝負なので、本番もそれほどレースの流れが速くはなりません。2年前のダービーで2着に来て、その後大きく出世したシンボリクリスエスなどは520キロで、大きなわりには器用なレースをしていました。
つまり、いくら巨漢馬であっても、ダービーに出る馬は、それによって不利とは言えず、あとは、それに見合った筋肉と心肺機能さえ備えていれば、他よりもかえって有利なのだという考え方もできるようになっています。牡馬として中格のコスモバルクが、キングカメハメハを含めた巨漢にどう立ち向かうか。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。