2015年09月04日(金) 18:00
出走のさせ方や、距離、コースの選び方を変えるのはどの種牡馬も同じこと。たとえば、エンパイアメーカーは新種牡馬だった昨年、この時期はわずか2頭が勝ち上がっただけだったが、今年はもう7頭も勝っている。これは産駒数の変化ではなく、たとえばパイロなど、1-2年目はまったく2歳戦では目立たなかったが、今年は全国でもう16頭もが勝ち上がり、現時点では2歳種牡馬ランキング4位である。キンシャサノキセキ、ヴァーミリアンなども、2年目の今年は初年度と大きく変化している。産駒の成績が期待通りであっても、サンデーやディープのように、先を考えて変えるケースだって珍しくない。
昨年、この時期には7頭もがJRAの芝1800mを中心に勝ち上がって旋風を巻き起こしたハービンジャーの産駒は、今年は札幌や函館の数少ない芝1800mで同士討ちになっていることも関係するが、まだ3頭しか勝っていない。
初年度の産駒の成績によって分かったことが多かった。いかにも欧州系の中〜長距離型らしく、洋芝の北海道の1800m前後に出走すると、スケールとパワーと、母の父サンデーサイレンス系の良さを前面に出して勝ち上がる。ところが、2歳戦で19頭も期待の素質馬が勝ったのに、重賞勝ち馬は年が変わり3歳になってからベルーフが中山2000mの「京成杯」を勝っただけである。
直線の長い新潟、東京は他場より合っているから好走馬も出現するが、欧州系というだけでなくハービンジャー自身が遅咲きだったためだろう、素質だけで勝てる新馬戦はいいが、そのあとが難しすぎた。高速決着になりがちな秋の中央場所の、よりによってマイル戦などに出走していると、大スランプに陥ってしまうのである。予想されたことだが、コース、距離の選び方がきわめて難しく、成長曲線のとらえ方も難しいのである。
その3頭しか勝っていないハービンジャーの産駒が、人気で2頭出走する。
出走のさせ方も、コース選択も、距離の選び方も非常に難しいことは、調教師だけでなく大きく関係する生産のノーザンFも分かっている。
ハービンジャーが大物を送り出すことは初年度の成績で証明されている、日本を代表する生産、育成、調教師が手がけるハービンジャー2世代目の注目馬2頭。このレースだけでなく、今後のローテーションにも注目である。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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