2004年06月01日(火) 14:23
サンドロップによる日本産馬初の英国クラシック制覇がかかったG1オークスが、今週の金曜日に迫った。
5日前登録の段階でエントリーを済ませた馬は10頭。数は少ないが、主だったトライアルの勝ち馬はこぞって出走の構えを見せており、少数精鋭のクラシックとなりそうだ。
そんな中、本番を間近に控えて、必ずしもポジティブなニュースばかりが飛び交っているわけではないのが、サンドロップである。1000ギニー2着馬サンドロップと、ミュージドラS勝ち馬パンクティリアスと、有力馬2騎を抱えるゴドルフィンの主戦フランキー・デットーリが、25日にニューマーケットで行われた追いきり後に、「もし今、自分がどちらかを選ばなくてはならないとしたら、パンクティリアスに乗りたい」と発言。その後、管理するザイード・ビン・スルール調教師も、「2頭とも好調だが、ウチのエースはパンクティリアス」とコメント。一時はサンドロップが抜けた1番人気だったオッズも、今ではこの2頭が横並びという情勢になっている。
1000ギニーの時にも、大方の予想を裏切って、サンドロップではなくキャリーオンケイティーの手綱をとったフランキー。うがった見方をすると、フランキーは、サンデーサイレンス特有の激しさを秘めたサンドロップを完全には手の内に入れていないのではないかと、読むことも出来る。取り敢えずは、持っている力を100%発揮できる馬をと、安全策をとった結果が「パンクティリアス騎乗」なのだ。
本国オーストラリアでサンデー産駒に騎乗経験があるセカンドジョッキーのケリン・マキヴォイの方が、サンドロップとは手が合うかもしれず、むしろ結果オーライとなる事が期待できるのではないかと見ている。
展開的には、4頭出しのエイダン・オブライエン厩舎の1頭、キッシスフォーミーが先導役となる気配が濃厚。有力どころでは、パンクティリアスが先行し、その後ろにバラカ。オールトゥービューティフル、ウイジャボード、サンドロップらは後方に控えることになりそうだ。サンドロップとしては、パンクティリアスを目標にレースを進めればよいので、オークス初騎乗のマキヴォイにとっても、それほど難しいレースにはならないはずである。
エプソムからの朗報を心待ちにしたい。
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
合田直弘「世界の競馬」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
合田直弘
1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。