開幕週を利したインつき作戦に期待/毎日王冠

2015年10月10日(土) 18:00


価値のある前走の内容

 出走馬「13頭」のうち、「10頭」までが種牡馬ディープインパクト産駒。残る3頭は、アグネスタキオン、ダンスインザダーク、フジキセキの産駒なので、すべての出走馬が「サンデーサイレンス直父系の孫世代」という組み合わせが成立した。

 人間や、他の生物ふうに表現すると、ディープインパクトの息子が10頭に、それらと「いとこ」の間柄になる馬が3頭で、息子たち(兄弟)と、そのいとこたちだけによる身内のレースである。

 脱線。これに近いことが想定できたから、サラブレッドは「牝馬」を系図のベースにしてスタートしたのかもしれない。ディープインパクトの息子たち10頭は、そのうち5頭の母親が外国からの輸入牝馬であり、たまたま近親馬ではないから、10頭はちがう家系の他人であり、残る3頭もいとこではない。10頭の息子たち、自分たちは同じディープインパクトを父に持つ兄弟であることに気がつくのだろうか。気がつかないと思える。なぜなら、サラブレッドは交配時からして、父親がだれであるかを、母になる牝馬さえ、種牡馬がだれかを知らない。サラブレッドの種牡馬は、生産の主役であっても、その姿を相手になる牝馬や、まして約1年後に生まれてくる産駒たちになど決して知られることのない闇の中の黒子である・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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