確たる中心馬不在で波乱必至/府中牝馬S

2015年10月16日(金) 18:01


「伏兵中の伏兵」を狙いたい

 9月末のオールカマーに、ショウナンパンドラ(1着)、ヌーヴォレコルト(2着)、マリアライト(5着)などのトップ牝馬が回ってしまったことも関係し、多彩なメンバーが揃っての17頭立てだが、確たる中心馬は不在。人気は大きく分かれる。  5月のG1ヴィクトリアマイルであわやの場面を作ったミナレットケイアイエレガントあたりが先行すると、1800mでも見せ場を作るだろうし、別定重量はベースの軽い54キロだから、ほとんどの馬が一連の重賞、オープン特別などより軽量となった。きわめてマトの絞りにくい大混戦にもつれこむ可能性がある。波乱必至だろう。  まったく人気の圏外だが、伏兵中の伏兵ケイティバローズ(父マンハッタンカフェ)を狙いたい。全4勝がダートだが、今春の中山牝馬Sは0秒3差(4着)、福島牝馬Sも0秒4差(10着)。もともと芝適性はある。  基本となる芝1600mに、ここでは上位にランクできる「1分32秒1」があるのが大きなポイント。ずっとダートに出走していたが、昨年の秋、芝に出走するのは3戦目、初めての1600m(東京コース)の「ユートピアS」を、この快時計で乗り切ってクビ差2着に突っ込んだ際のタイムである。大とびのフットワークで後方から上がり33秒5で一気に伸び、昨年の府中牝馬Sで脚を余して1分46秒0(0秒3差)の善戦に持ち込んだ直後のスイートサルサ(今春は福島牝馬Sを勝ち、今回は人気上位の1頭)と、クビ差同タイムの1分32秒1である。このとき、今回も対戦する同じ5歳のシャトーブランシュ(3着)には約2馬身も差をつけている。

 芝は未勝利でも、この東京コースでの好走には(11番人気)、侮れない資質が隠されている。入念に乗り込んだ今回、シャープな動きをみせたから強気にGIIのここに挑戦することになった意欲も買いたい。

 父はマンハッタンカフェ。ファミリーも名牝系の出身で、種牡馬ブライアンズタイムの祖母ゴールデントレイルと、ケイティバローズの6代母はいとこ同士。阪神牝馬Sを2勝し、安田記念でもダイワメジャーの3着したジョリーダンス(父ダンスインザダーク)の3代母と、ケイティバローズの4代母は姉妹の間柄になる。

 テンで置かれてしまうと苦しいが、混戦の差し比べになることを期待して、人気薄のケイティバローズから、手広く流したい。すっかり軽視されることになったメイショウマンボも、55キロの東京1800mだから相手に加える。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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