走破タイムにみる競馬の変化

2004年07月07日(水) 14:54

 全体の走破タイムが速いのに、ラップを見ると、前半よりも後半の方が速いという中距離戦が多くなりました。

 つまり、数字の比較で言えば、スローペースで上がりが速いレースなんですが、どうもそんな言い方でいいのかどうか、ちょっと釈然としません。とにかくタイムが速いのです。以前なら、どれか強烈に引っ張る逃げ馬がいて、それにつられて走破タイムが速くなるケースがほとんどでした。

 ところが、最近の重賞レースでは、最初から先行グループにいたものが、緩みなくそれでいて徐々にスピードアップされる流れについていって抜け出し、好タイムをマークすることが多くなりました。

 この傾向は、小回り、平坦コースで特に顕著で、馬場が良ければ、ローカル開催の重賞レースの大きな傾向と言えるのではないでしょうか。

 先日の福島・ラジオたんぱ賞などは、それに近い流れで、フウランジョー、ダイワネバダが作った1000mのタイム58.6秒を、従来なら完全に速いと見るのですが、3、4、5番手のケイアイガード、カンパニー、リスティアエーデルが上位を占め、ペースを作った2頭もそのあとに粘っているレース結果と、走破タイムの1800m1分47秒1を考え合わせると、これは前残りに近いかたちで、しかもそれなりのタイムと言えます。

 春の中山の皐月賞などは、もっとはっきり全体が速く、しかも前半よりも後半の方が速いレースになっていました。

 スピードがあって持久力のあるタイプが多くなったということでしょうが、これをどう受け止めるかです。日本の競馬のレベルアップもあるでしょう。血統面でも、そういうタイプが主流を占めていることでもあるでしょう。馬場のこともあるでしょう。

 少なからず変化を見せていることは確かで、レース分析にも工夫が必要ということです。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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