週刊サラブレッド・レーシング・ポスト

2004年07月13日(火) 19:53

 8月10日から12日までニューヨーク州サラトガスプリングスで開催される『ファシグティプトン・サラトガ・イヤリングセール』のカタログが完成した。昨年に引き続き今年も『キーンランド・ジュライ』が開催休止。今年もここが、2002年生まれのサラブレッドにとって最初のプレミア・マーケットとなるだけに、3日間で212頭がラインナップされたカタログは非常に質の高いものとなっている。

 セールの超目玉と評判になっているのが、最終日の開始早々に登場するHip#149の父ストームキャットの牡馬。全姉にG2ルイヴィルH他重賞2勝のサウディポエトリー、半兄にG2ワシントンパークHをはじめ重賞3勝のアニエス、いとこにBCジュヴェナイルフィリーズやケンタッキーオークスを制して2年連続チャンピオン牝馬の栄誉に輝いたシルヴァービュレットデイがいるという血統もさることながら、馬の出来が抜群で、あるいはこの世代のアメリカ産馬では全ての市場を通じた最高値になるかもしれないとすら言われている期待馬である。

 同じストームキャット産駒では、Hip#65の母ターボローンチの牝馬にも注目が集まっている。本馬の姉の子に、ぶっち切りのベルモントSをはじめ6つのG1を制して全米年度代表馬にも選出されたポイントギヴンがおり、将来の繁殖候補としても評価の高い1頭だ。

 BCスプリントを制したチャンピオンスプリンター・アータックスを兄に持つ、Hip#12の父アンブライドルズソングの牝馬、今春のブルーグラスSを制したザクリフズエッジを兄に持つ、Hip83の父コロナドズクエストの牡馬、短距離G1フランクデフランシス・メモリアルダッシュ勝ち馬イエスイッツトゥルーを兄に持つ、Hip107の父アンブライドルズソングの牡馬、ケンタッキーオークスなどG1・3勝を挙げたキーパーヒルを姉に持つ、Hip#132の父フサイチペガサスの牝馬、BCジュヴェナイルフィリーズを制した2歳牝馬チャンピオン・ストームソングを姉に持つ、Hip#159の父ジャイアンツコーズウェイの牝馬らが、兄姉に超A級馬を持つ馬たちだ。

 一方、Hip#37の父ストームキャットの牡馬は、母がニューヨークトリプルティアラを達成したチャンピオン牝馬スカイビューティー。Hip#170の父ストームキャットの牝馬は、母がBCディスタフなどG1・4勝を挙げたチャンピオン牝馬ジュエルプリンセス。Hip#181の父シルヴァーデピュティの牝馬は、母がBCディスタフなどG1・5勝を挙げたチャンピオン牝馬ライフズマジックと、名牝の産駒たちにも注目が集まっている。

 日本に馴染みの血統としては、クリスタルC勝ち馬サーガノヴェルの姪にあたるのが、Hip#8の父ガルチの牝馬。Hip#145の父ディキシーランドバンドの牡馬は、交流重賞の東京盃2着馬エイシンラグランジの半弟で、Hip#207の父エーピーインディの牝馬は、G1朝日杯4着馬エンドアピールの姪にあたる。

 セールは連日夜7時30分スタートのイヴニングセッション。どんなマーケットが展開されるか楽しみにしたい。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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