2004年07月14日(水) 14:37
ちょっと一緒に考えてみて下さい。今話題になっているプロ野球について言いたいことは沢山ありますが、競馬に身を置く者にとっては、昨今の競馬場への入場人員の減少傾向の方が気になってなりません。
多くの目は、それよりも馬券の売上の方に向いているようですが、本当はこちらの方が深刻なのではないでしょうか。
これについて、スターホースが出現しさえすれば人は沢山来るようになると考える向きもあるのですが、もっと別のことも考えられて仕方がないのです。
以前と比べ、電話投票が普及した現在では、馬券を買うことだけを考えれば、ずっと楽になりました。売上の40%を超えるところまで来たというのですから、その利用者の増加には驚かされます。便利になったことで、競馬場まで足を運ばずとも用を足してしまう競馬ファンが増えました。
しかし、その一方で入場人員がどんどん減っている事実が、それに反比例してあるとは考えられませんか?
競馬場で生のサラブレッドを見ることなく競馬に参加し続けても、そこに残るのは当たった外れたのみの世界。なかなか、それを超越した興趣を深めることはできません。的中が続けば申し分ありませんが、そうはいかないことは周知のとおりです。
さらに言えば、お手軽に遊べることでゲーム感覚としての競馬は普及しても、本当の競馬、そこにある情緒的なものは薄れていくばかりでしょう。そして、感覚として身につくものが無いのですから、だんだん飽きられていきます。年に何回かは競馬場に行って、競馬の奥深いものに触れて欲しいと願う気持ち、もうひとつ、出掛けて行っただけのことがある競馬場の雰囲気とは?を追求していって欲しいと思います。ファン同志のふれ合いが競馬の原動力になると、そのことを少し…。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。