ゆとりを持って楽しみたい

2004年07月21日(水) 13:58

 函館ではくぼ競馬がスタートしましたが、他場での利用者が特に多かったようでした。今後どうなっていくかですが、折角競馬場にやってきて、目の前にレースが残っているとなれば手を出したくなるもの。可能性にチャレンジするのが競馬の原点ですから、単にもの珍しいから参加するというものでもないでしょう。今はどこの競馬場のレースでも購入できるので、誰だって手を広げられるものならそうしようと思っています。

 要は、どこのどのレースが面白いかとか、狙ってみたい馬がどこに出ているかであって、それぞれが頭をひねっているのもそこのところです。選択の幅が広がって、利用者には有り難いように見えます。

 ところが、そう簡単ではないようです。参加したいレースがだいたいが午後に集中していて、いざ始めると忙しいという実感ではないでしょうか。次から次へと締め切りのベルが鳴り、ファンファーレに追いまくれられるという有様で、ひどいときには、あっという間に3場全てアウトというケースが続きます。そうなるとメンタルな面でのダメージは大きく、余程の余裕がないと意欲は減退し、なかなか立ち直れるものではありません。

 こういう日々が続くとどうなるか、自ずと先は見えています。時間に追われる遊びは遊びではなくなるもので、今のように、きちんと時間でレースのスタートが一定間隔というのは、考えものではないでしょうか。

 どこかでゆとりを持たせる時間、気分直しをする時間があってもいいのではないかと思うのです。レースの経過を味わうことも難しいという声も聞かれます。

 選択の幅が広がるのはうれしいことではあっても、逆に追いまくられるようであっては逆効果でしょう。ここまできたのですから、そろそろ競馬ファンの心理面の配慮に手をつけてはくれないものかと考えています。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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