2004年07月27日(火) 15:37
マイル版の「キングジョージ」とも言うべき真夏のマイル王決定戦G1・サセックスS(英・グッドウッド競馬場)の発走が、日本時間の今日深夜に迫った。いつもの年だと、12ハロン路線における3歳と古馬のトップホースが激突する、初めての機会となるキングジョージが、有力3歳馬の相次ぐ回避によって、世代間を超えた戦いの場としてはほとんど機能しなかったのに対し、サセックスSは興味深い新旧対決の様相を呈している。
新聞の見出し風に言えば、最大の焦点は『英国2000ギニー馬・夢の決戦』となるか。かたや、昨年の2000ギニー馬で、目下G1・2連勝中と絶好調の4歳馬リフューズトゥベンド。こなた、今年の2000ギニーを快勝したハーフド。リフューズトゥベンドはシェイク・モハメド率いるゴドルフィンの所有馬で、ハーフドはシェイク・ハムダンのオーナーブリーディングホースだから、別名『マクトゥーム兄弟対決』と言い換えてもいい争いである。
そして古馬勢の脇を固めるのが、タレントの豊富な4歳牝馬陣の一翼を担うソヴィエトソング。ロイヤルアスコットのG1・クイーンアンSでリフューズトゥベンドの2着となった後、前走ニューマーケットのG1・ファルマスSで一世代下のスターホース・アトラクションを完封した、この路線のトップホースだ。
一方、3歳勢の脇を固めるのが“幻の仏2000ギニー馬”アントニアスパイアス。ゴール前完全に抜け出していながら、持ち前の暴れん坊振りを発揮して内ラチに激突して5着に敗れたものの、仏2000ギニーで最も高い能力を示したのがこの馬だったのは衆目の一致するところ。前走ジュライCは距離が短すぎたようで、得意のマイル戦に戻って今度こそ“幻”ではないG1制覇を狙いたいところだ。
今春のドバイデューティフリー3着馬ネイヤー、昨年の英2000ギニー3着馬でこのサセックスSも前年3着だったノーズダンサー、昨年の伊2000ギニー勝ち馬で、ファルブラヴの夢再現とばかりルーカ・クマーニ厩舎に移籍してきたルヴィーデコロリなど、伏兵も多彩なサセックスS。例年同様、見逃せない一戦となりそうである。
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
合田直弘「世界の競馬」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
合田直弘
1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。