中山ダートがぴったり合う印象/アレキサンドライトS

2016年01月22日(金) 18:00


4歳の成長に期待する

 今回が格上がりの1600万下。一気に相手強化の不安はあるが、上昇一途の4歳バスタータイプ(父ホワイトマズル)の成長に期待したい。

 デビュー以来、一貫してダート1800mだけに出走しているちょっと頑固なダート巧者で、通算成績【3-4-2-1】。2走前に格上がりの1000万特別で初めて3着以内から外れたのは、メンバー中最速の上がり36秒5で伸びながら、レース上がりが36秒8という速い上がりの勝負が合わなかったため。5着でも、差は0秒3だった。

 前回は中山に転戦して、好位から抜け出し、時計は平凡でも着差以上の圧勝だった。パワーが持ち味のホワイトマズル(その父ダンシングブレーヴ)産駒らしく、同じようなゆったりペースでも、京都より全体時計も上がりもかかりがちな中山ダートがぴったり合う印象だった。中山ダートに対する適性を評価されて再遠征、再び内田博幸騎手を配してきた。

 このバスタータイプのきょうだいは、1つ上の半姉アスカクイン(父スペシャルウィーク)が、全3勝がダート17-1800m。2つ上の半兄ダンディーレイ(父アグネスデジタル)の全3勝もダート14-1800mだから、よほどのダート巧者の牝系なのだろう。

 母グローバルソングは、ブライアンズタイム産駒。祖母グロリアスバラッドの父は、キングマンボ(20日、米で死亡。26歳)。これだけでも納得だが、3代母マプティットジョリィ(父ノーザンダンサー)は、カナダの年度代表馬で、かつ名繁殖牝馬として知られるグロリアスソング(父へイロー)の半妹だった。

 この姉妹の間には、種牡馬デヴィルズバッグ(父へイロー)がいる。種牡馬セイントバラードもその全弟になる。名牝グロリアスソングは、グランドオペラ、ラーイ、日本に種牡馬としてきた期間のあるシングスピールの母である。

 バスタータイプから数えて4代母がバラード(父エルバジェ)。5代母がミススワップスコー(父コーホース)。6代母がソアリング(父スワップス)となり、ソアリングは輸入種牡馬カリム(父ネアルコ)の半妹である。

 意味のない系譜でもない。輸入種牡馬カリムは、快速牝馬タマミ、伝説のイナリトウザイの父として名馬物語に登場するだけではない。歴史的なダート巧者ハイセイコー(父チャイナロック)の母の父がカリムである。

 4歳バスタータイプがやがてオープン馬に成長し、ダートのビッグレースに登場することになると、そのファミリーにはメイセイオペラの父グランドオペラがいて、タイキシャトルの父デヴィルズバッグの名も登場することだろう。カリムの名も登場するかもしれない。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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