2016年03月24日(木) 12:00 11
クラシックレース出走にこぎつけた若駒たちの中の多くが、こんな思いではないか。皐月賞戦線では、きさらぎ賞を勝って3戦3勝のサトノダイヤモンド、同じく3戦全勝の弥生賞馬マカヒキに2歳チャンピオンのリオンディーズは、ただひたすらに大道を歩んで決戦のときを迎える立場と言っていいが、スプリングステークス組のマウントロブソン、マイネルハニー、ロードクエストは、嶺あり谷ありの起伏を体験してここに辿り着いたと言える。
道中、もっとスムースだったらもっとはなして勝てていただろうとマウントロブソンのシュタルケ騎手は語っていたが、2着、3着がクビ、クビの大激戦、それぞれに各騎手の執念がこもっていた。あったのは懸命な思い、そして全てを承知してひたすらわが道を歩み、この先を照らす姿だった。メンコをつけて落ち着きの感じられたマイネルハニーはクラシック登録がない。2着で大舞台の出走権利を得たが、追加登録をするかどうか。ここまで登りつめてきたという達成感はあるだろう。3着のロードクエストは初めて手綱を取った池添騎手は、いかにも大事をとった騎乗ぶりで、次は久々を戦った効果をみせる可能性は高い。出走権を得るという目的を達成し次なる一歩へと、それぞれの道を見据えている。さらにはアドマイヤダイオウなどの若葉ステークス組に、ハートレーなどの賞金獲得組など、懸命な思いで出走にこぎつけたものなど。
自分の人生と見くらべ、共鳴できるものを選ぶか、大道の理想を行くものにするか、静かに決断を下したい。
長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。