2016年03月31日(木) 12:00 14
ビッグアーサーの担当者は「中京で勝ったときが一番強かった」と振り返っていたと言うし、初めて手綱を取った福永騎手は「去年くらいから、この馬が短距離界を引っ張っていくと思っていた」と語っていた。つまり、高松宮記念を前にビッグアーサー陣営は、好い印象を持っていたのだ。以前コンビを組んでいた藤岡康騎手も「条件を戦っていたときは、左回りの方がよかった」と述べていたし、GIの大舞台を前に、陣営にはいいイメージがふくらんでいて、これが運を味方に引き入れる力になっていたのだ。
時計の速い馬場であったことで、いずれもがスタートだけはミスのないようにと思っている。ローレルベローチェが逃げてハクサンムーンが追い、途中までハイラップにつき合っていたミッキーアイルが無理せず3番手に控え、好枠のビッグアーサーがこれを見る位置の4番手ですんなりレースを運んでいく。直線先頭に立ったミッキーアイルを、安全な外に出したビッグアーサーがゆとりを持って捉え、初重賞勝ちがGI制覇という快挙に結び付けていたのだった。
レース後、藤岡調教師は「これだけの馬をここまで重賞未勝利でいさせていた」と反省していたが、それだけこの勝利には余裕が感じられた。確かに、外枠や追い込みには不利な舞台に映っていたが、日本レコードに迫るスピードは別格だったとみたい。その力があったからこそ運を引き寄せたのであり、この勝利は、偶然ではなく必然であった。
長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。