2016年04月19日(火) 18:00 27
栗東トレセンに来ていた亀田大毅さんと一緒に記念撮影
物資は届いていますか? 眠れますか? エコノミー症候群にならない様、足をもんだり簡単な体操をしてください。声を掛け合って朝ラジオ体操をしてはいかがでしょうか? ちょっとでも快適に過ごせるように僕たちも支援していきたいです。
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先週の皐月賞は後々まで語り継がれる3強の対決になるかもしれないサトノダイヤモンド・マカヒキ・リオンディーズの能力の高さはどの馬が勝っても不思議ではないといわれていました。
大歓声でスタートをした3強に迫ったのが、抜群の脚で駆け上がってきた8番人気のディーマジェスティでした。豊さんが「エアスピネルにもチャンスはある。同じ馬たちで何度競馬をしても同じ結果にはならない。それだけ難しいレース」と話していましたが納得です。
中山競馬場に春の嵐が巻き起こった感じでしたが結果を見るとコースレコードに0.1秒差の高速決着。となると、4強対決になるダービーが楽しみですね。
無敗馬2頭と2歳王者の3強が栗東トレセンの馬だということで、ボクシングの元世界チャンピオン、亀田大毅さんが取材に来られていました。いつもと違ったちょっと緊張した空気になっていました。記念に写真を撮らせていただきコラムの宣伝もしました。写真公開の許可をいただきましたよ。ちょっと照れ気味な感じがしました。騎手として馬に乗れそうなくらいに小柄な方でしたが筋肉の付き方が違っていましたね。やっぱり世界王者の貫禄です。
最近ミルコ・デムーロ騎手も体力と瞬発力と筋肉をつけるためにボクシングを始めているそうです。ボクシングと競馬の騎手と共通するところがあるようですね。面白い!
リアルスティール号(ドバイターフ芝1800m)も世界王者の勲章を勝ち取ってきましたね。ドバイで大活躍です。
柿崎助手にリアルスティールの魅力をお聞きしていたのですがドバイへ行く前にお知らせできず残念でした。次走の安田記念に向けて参考になれば嬉しいです。
常石 リアルスティールの魅力をズバリ教えてください。
柿崎 輸送しても馬体重が減らないのが一番いいかな。まだまだ完成しておらずレース後も余裕が残っている感じがします。だから春に向けてレースが楽しみですね。折り合い面で苦労するところがあったので福永騎手が毎日乗って教えてくれていました。だからレースに行っても入れ込むことはないですね。この馬のことはよく理解してくれるようになりましたね。
昨年のダービーの後は骨折をしていたのでその後は気をつけてケアをしてきました。香港にもドバイにもチャレンジしていきたい。矢作厩舎に「リアルスティールがいる」ことをアピールしたいです。
洗い場でのリアルスティール
常石 ここ最近は2着が多く悔しいレースが続いていますよね。
柿崎 そうですよね。あと1歩届かないことが多いですがそれだけ安定した走りができている証拠です。今度は突き抜けてくれるでしょうね、と毎回期待して送り出しています。折り合い面でも安定してきたし中山でもいい走りだったと思います。ラストの背筋の動きも腰に力が入ってきたし仕上がりには満足しています。どの馬にも未知なレースだしチャンスはあると思うので期待していますよ。
常石 今後のレースに対する課題はどんなところでしょう。
柿崎 やはり折り合いでしょうかね。福永騎手が折り合い面では調教の中でやってくれているのでよくなってきていますがドバイとなると少し不安ですね。ムーア騎手も名手なので安心してお任せします。この馬の強みは、能力の高いところだと思います。思ったとおりに成長してくれていますがまだまだ伸びる可能性を持っているのでどれだけ成長してくれるかが楽しみです。
常石 まだまだ奥が深そうですね。
柿崎 動きに面白みがあるのでこれからの成長に期待したいです。この馬が持つ本来の力をファンの方に見ていただきたいですね。
柿崎助手もこれからの成長に期待しているリアルスティール
常石 2着という位置から脱出ですね。強いといわれるドゥラメンテにも勝っていますよね。
柿崎 同じ馬の対決でも結果は同じではないですからね。
常石 ドバイも楽しみですね。
柿崎 この馬の最高の力を見せられるように頑張ります。
常石 楽しみにしています。
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今年は過去最高の10頭もの馬がドバイという競馬の聖地へ乗り込み、日本競馬はここにあり、をアピールしてくれることを期待していました。
そして・・・その夢をかなえてくれたのがリアルスティールとラニと豊騎手でした。競馬の歴史上に名を刻んでくれました。リアルスティールは昨年のクラシック戦線で主役の1頭として推されながらも皐月賞2着・ダービー4着・菊花賞2着と福永騎手とともに悔しい競馬をしてきましたが、その思いを一気に蹴散らし圧巻の勝利。ユーロシャリーンの猛走をしのいで最後までしっかり伸びた脚は本物でした。
最高でした!! 矢作先生も「ダービーを勝つことよりうれしい!!」と絶賛。海外初勝利をつかんだ瞬間は僕もTV観戦していましたが「やったー!」と大声をあげていましたね。
ちょうどドバイへ旅立つ日に検疫厩舎から馬運車に乗り込むとき我が子のように見守っていた矢作先生の姿が浮かびます。海外に挑戦し続ける意志の強さを実感しました。矢作先生曰く「ドバイへはタイセイレジェンド以来やからね」。闘志とともに無事にとの思いが伝わってきました。
ドバイターフの表彰式でトロフィーを受け取る矢作先生(撮影:高橋 正和)
そして・・・3月29日に帰厩しノーザンしがらきの牧場でご褒美の休養中。
6月5日に行われる安田記念、福永祐一騎手とのコンビ復活。今からワクワクしています。またまた雄姿を見ることができると思います。みなさんもぜひ東京競馬場へ生のリアルスティールを応援に行きましょう。
取材に長々と付き合ってくださった柿崎さんありがとうございました。丁寧に馬の魅力を話してくれて、もっともっとスティールのファンになりました。ありがとうございました。
ドバイ遠征3週間前の取材でした。つねかつこと常石勝義でした。
常石勝義
常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30~)に出演中。