2016年04月28日(木) 12:00
フローラステークスのチェッキーノには自然流がみえた。トライアルに勝って桜花賞の舞台に出られたのに、それをパスしていたのだから。しかもその勝ち方が、瞬時に前を交わして突き放していて、見事といえるものだった。なのに疲れが出たと判断、体調面を最優先させていたのだ。自然に逆らわない、あくまでも馬優先のやり方がそこにあったのだった。馬の上等な扱い方だ。目標を素早く切り換え、オークスに定めて準備に入ったのだから見事だ。チェッキーノの全兄のコディーノは、札幌2歳ステークスと東スポ杯2歳ステークスを連勝して皐月賞で三着と走ったが、やはり圧倒的な瞬発力を武器にしていた。その妹であれば当然期待できるし、クラシックを狙える器。激しい気性のため距離の壁に泣いた兄にくらべ、妹はどうなのか。その辺の課題を克服するには、やはりチェッキーノ自身の問題だから、どうリラックスして戦えるようになるか待つしかないところがある。自然には逆らえないから、そうするしかない。
どうしてもクラシックを勝たせたいという強い思いを馬に押し付けるのではなく、自然にそうなっていくように仕向けていく。本番までの残り少ない日程の中で、その努力は続けられていくのだ。自然に沿ったやり方が功を奏するか、レベルの高い桜花賞組も十分に間隔をとって満を持している。そうたやすいことではないが、ひとつの上等な生き方見て、そこから何かつかめるものがあればとその瞬間を待つことにしたい。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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