2016年05月02日(月) 18:00 94
自分で主導権をにぎることになった武豊は、これまで3200mの天皇賞・春の成績【6-6-4-7】。ずば抜けた実績をもつが、今回のように自ら主導権を主張したことはない。なぜなら、終始きびしいマークを受けて3200mを乗り切るのは、途中でリズムを崩される危険が大きいからである。だが、今回はプレッシャーをかけてくる伏兵やライバルが少なく、直前のライバルの動向を見ているうちに、スタートさえ決まれば1番枠の利をフルに生かしたほうが有利に展開することを察知してしまったのである。
実際、直線の残り1ハロンまで2番手以下は終始「1-2馬身」後方にいて、キタサンブラックは一度も後続からプレシャーを受ける場面がなかった。ずっと単騎マイペースである。こうなれば、3200mの春の天皇賞に23回も乗って12回も連対している武豊の体内時計は正確なリズムを刻みつづける・・・
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。