馬サブローのトラックマンによる『GI展望座談会』も、今回が最終回。最後にお届けするのは安田記念です。なんといっても、“世界のマイル王”モーリスが参戦。香港・チャンピオンズマイルを勝利後、着地検疫で東京競馬場に入りそのまま調整中。普段のトレセンとは違う過程に不安はないのか？　さらに、リアルスティールもドバイターフを制して以来。海外組2頭の評価と、ここにきてメキメキと力を付けてきた魅力の一頭とは？

(出演：写真左上から吉田記者、加藤記者、左下から安里記者、妹尾記者)

香港帰りのモーリスをジャッジ

安里　最後のテーマは安田記念。去年はモーリスが勝って、そこからGI4連勝が始まったわけだけど、今年もやっぱり中心？

加藤　モーリスには、逆らえないでしょう。

吉田　うん。逆らう気はないですね。妹尾はツラいかもれないけど(笑)。

妹尾　……(苦笑)。実績は群を抜いていますし、今まさに充実期。死角も見当たらないですし、さすがに逆らえないです。なので、2、3着に来るような穴馬を探します。

▲昨年暮れの香港マイル、ハイレベルな一戦を制したモーリス(撮影：高橋正和)

▲歓声にこたえる鞍上のムーア騎手(撮影：高橋正和)

安里　競馬にも、何の注文もないもんなぁ。

加藤　ゲートや折り合いも不安はないし、減点要素がない。おまけに時計勝負でも、道悪馬場になってもOKという。

吉田　去年は乗替りで川田ジョッキーだったけど、あれはすごいなと思った。それまでのモーリスのイメージで、後ろでもがくようなら違う馬を買おうって思ったんだけど、あんな4番手で競馬をされたら、太刀打ちできない。川田ジョッキーは、ああいう競馬が出来るんだもんな。すごい。

妹尾　ある程度序盤からポジションを取れて、かつ爆発的な脚を長く使える。レース運びに隙がないですよね。

吉田　隙がない。破壊力満点の差しもできるし、去年の安田記念や前走の様な前受けで押し切る正攻法の競馬も出来る。心強い限り！

安里　海外帰りという点はいいの？　リアルスティールもそうだけど。

加藤　リアルはドバイなので、それなりに考えないといけないですけど、モーリスの場合は香港ですからね。香港は、北海道や小倉に行くより輸送が楽。海外帰りとはいえ、何も心配することはないと思いますよ。

吉田　香港から直接東京競馬場に入って、検疫しながらの仕上げというのはありますけど、7連勝中の馬が出走してくるからには、態勢が整ったということでしょう。

加藤　前走(チャンピオンズマイル)は、メンバーも弱かったでしょうしね。

吉田　ええ。暮れ(香港マイル)は強かったですけど、前走は相手関係も楽だった分、このローテになったのかもしれないですね。この馬は日本で云々じゃなく、もっと高いレベルの香港連覇という実績がありますから。

安里　今でこそ世界クラスの馬やけど、俺の中ではまだ、関西にいた頃の危うい気性のイメージも残っていて(笑)。

加藤　いやいや、もう馬が違いますよ。

安里　去年のマイルCSって、状態はどうだったの？　約半年ぶりで要らんやろと思ってたんだけど。

加藤　本当ですか？　悪くなかったと思いますよ。あの時は、人気もなかったですよね。馬券的においしいなと思って(笑)。

吉田　4番人気でしたね。多分、外枠が嫌がられたんでしょうね。ここ何年も「京都のGIは内の前」って言われていて、しかも馬場も良い状態で、外を回って勝ったわけだから。やっぱりモーリスって強いんですよね。

京王杯SCはGI級のパフォーマンス！

吉田　リアルスティールにとって、府中のマイルなんて特に、能力をフルに発揮しやすい舞台設定じゃない？・・・