2016年06月13日(月) 18:00 29
6月8日に実施された東京ダービー(大井・2000m)は、美浦・南田美知雄厩舎の卒業生バルダッサーレ(大井・中道啓二厩舎<小林>)が転厩初戦を飾りました。金沢の吉原寛人騎手を背に、2着のプレイザゲームに7馬身差をつける圧勝。バルダッサーレに関わってきた全ての皆さん、おめでとうございました!
バルダッサーレにとっても記念すべき重賞制覇がこの東京ダービー、これから南関東の一員として頑張って欲しいと思います!
現在管理している中道調教師は43歳の若手トレーナーで、大井の分場・小林牧場に厩舎を開業して初出走してから約1年半での東京ダービー制覇となりました。師の人柄もあり、たくさんの人たちから祝福の声がかけられていました。今日は中道調教師のインタビューをお届けします。
中道調教師は、牧場経験から、船橋競馬場で4年間働き、30歳から大井競馬場へ。大井では厩務員2年、調教師補佐8年で、調教師へ
Q.強すぎましたね。中道調教師は重賞初出走・初制覇が東京ダービーとなりましたが、レース後もとても冷静だったように見えました。
A.冷静ってことはないんですが、ちょっとビックリしちゃって、マジかって。後方2番手から上がっていって、4コーナーでは先頭で、普通なら止まりますよね。それなのにあんな脚を使って突き放すから、全部にビックリしました。勝ったことはうれしいんですが、まだ他人事のような感じで実感がわいていません。
Q.担当の森晃洋厩務員も厩務員になって1年で、重賞初挑戦で東京ダービー制覇。厩舎スタッフ一丸となって、いい雰囲気の中でこの舞台に挑めたのではないでしょうか。
A.重賞に出ることも勝つこともなかなかできないのに、それが東京ダービーを勝たせてもらって本当にありがたいです。これだけの馬を、新人調教師に声をかけて預けて頂いたオーナーと、快く送り出してくださった南田先生と厩舎スタッフの方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。
吉原騎手を背に、バルダッサーレの左を引いているのが担当の森厩務員、お手伝いが渡邊厩務員。みんないい笑顔をしています
Q.この馬は中道調教師が中心となって森厩務員と共に調教をつけてきましたが(追い切りは御神本訓史調教専門厩務員)、状態を改めて振り返って頂くと。
A.中央でずっと使ってきて体もできていたので、うちで体調を崩しては申し訳ないので調子を崩さないように気を遣ってきました。素直な馬で乗っていても人間の指示に従順で、背中もいいし走る雰囲気はありました。ただ、乗っていると手先が軽くて、芝の方が向いているんじゃないかなっていう走りもするので、それで最初は芝を使っていたんでしょうね。
いい状態で送り出せたし、それなりの競馬はしてくれるだろうとは思っていたんですが、やったことがなかっただけに、あそこまでのパフォーマンスは想像していませんでした。同じダートでも質が違いますし、大井のダートも合ったんでしょうね。
小林牧場にいるときのバルダッサーレ
Q.実際に走り終えて、この馬のすごさはどんなところに感じましたか?
A.普段はとても大人しくて全く余計なことをしない馬です。小林牧場から大井競馬場へ馬場見せに行ったときも、物見をする訳じゃなくて堂々としていて、肝が据わっているなぁと。
レースになると、わかっているかのような闘志の入り方をしてガラッと変わりました。冷静なんですが目つきが血走って、レースが終わって上がり運動をしているときにはまた大人しいんです。オンオフの切り替えがすごくて、頭が相当いいんだろうなぁと思いました。普段よりもレースでいいタイプとは聞いていたのですが、こういうことなんだなぁって。
Q.レース後の様子はどうですか?
A.レース後も大きなダメージはなかったですね。レース前からさらにトモがしっかりしてくればもっと走るだろうなと思っていて、本格化するのはまだ先だと感じていた中でのあの強さだったので、計り知れないです。
Q.この後は南関東クラシック三冠目のジャパンダートダービー(7月13日大井・2000m)ですが。
A.いつも中央馬にやられてしまうので、こっちの馬が勝つことで競馬も盛り上がると思います。元中央馬ではありますが、こっちに来てダービーを取って、その力を証明するためにもやれるところを見せたいです。試金石になると思いますし、力が入ります。