2016年06月24日(金) 18:00
父ヨハネスブルグは、2001年だけ日本で供用されたことのあるヘネシー(その父ストームキャット)産駒。ヘネシーは当時の日本では「単調すぎて難しい」とされたストームキャット系らしく、評判どおり勝ち上がり率は悪くはなかったが、代表産駒として名が残るのは07年の「フェブラリーS」を勝ったサンライズバッカスくらい。それでもGI馬を送ったから決して不成功とはいえない。
ところが、もっと勝ち上がり率の高さを誇るとして輸入されたヨハネスブルグは、たしかに侮りがたい高い勝ち馬率を示しているものの、交配条件が変わったことや、同じ軽種馬協会の種牡馬にもっと魅力的なエンパイアメーカーなどが導入された時期と重なったのが不運(良質の牝馬に恵まれない)だったのか、産駒の異常に少ない年度があったりし、成長して活躍する馬が少ない。早熟性と、素軽さを誇るスピード型にとって、どうやらパワフルな日本の公営競馬のダートが合わないと思える。アメリカのようなスピードの出る軽いコンディション向きなのだろう。同じダートなら、公営競馬場より、JRAの方が合うのかもしれない。
競走年齢に達した世代は4世代もいるが、名の知られる代表産駒は日曜の東京11Rに出走するホウライアキコ(デイリー杯2歳S勝ち馬)と、やっと頭角を現し始めたエイシンバッケンくらいなものである。同じヘネシーの後継種牡馬でも、へニーヒューズなどと比べてしまうと、ヨハネスブルグはいまのところ成功とはいえない。あくまでいまのところだが…。
頭角を現したエイシンバッケンは、ダート1400mの記録を「1分23秒4→1分23秒3→1分22秒6」に短縮しつつ、前回のオープンから、条件再編成の4歳馬だから今回は1600万下である。もっとがんばって、父ヨハネスブルグの失いつつある名誉を取り戻す産駒になってもらおう。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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