3歳馬路線の変化

2004年09月29日(水) 12:41

 秋もキングカメハメハかなと思わせる強さでした。他のクラシック馬が苦戦する中、あの爆発力は目立っています。

 混合戦で3歳馬が古馬を圧倒するシーンを見ていると、秋の天皇賞もという気持ちに多くのものがなっている情況ですが、とにかく、同馬が年度を代表する王道を突っ走るか、中心になる話題はできました。

 秋競馬は、菊花賞をめぐってひとつの曲がり角にきているようです。3歳有力馬が毎年のように2000mをめざすことが多くなり、3000mのG1レースがどうなっていくのか、スピード化の進行とともに気になります。

 かつて、秋の天皇賞を2000mにするときの論議が思い出されます。あのときは、3200mに愛着を示す意見が多く出されました。

 特に、厩舎関係の長老の方々の、日本の競馬とステイヤーの存在という観点からの発言が強かったのですが、丁度、ジャパンCを創設して間もないときでもあり、強い馬づくりの一環の中、ここで諸外国の強豪に打ち勝つためには、ジャパンC・2400mへのステップとなる秋の天皇賞が3200mのままではという主張が主流を占め、現在の2000mになったという経緯がありました。

 以後、秋の天皇賞、菊花賞、ジャパンCのローテーションの手直しがなされ、その時点での強豪がジャパンCに出走しやすい環境は整ってきたと思います。

 しかし、例年厳しいレースになるジャパンCを念頭におくと、2000mから2400mと戦う方が有利で、自然、スピードに自信のある馬、それも3歳馬の中で天皇賞を考えるものが多くなってきています。

 この後に控える有馬記念まで含め、秋の3戦をチャンピオンロードと考える傾向は強く、事実、年度代表馬を狙うには、この3戦を走らすことが本流と考える陣営が増えました。

 キングカメハメハには、是非とも、そうあってほしいと思うばかりです。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

新着コラム

コラムを探す