福島での一変に期待/テレビユー福島賞

2016年07月01日(金) 18:00


すんなり行けるなら1600万突破

 この時期だから、オープンからクラス移動してきた4歳馬が人気にはなるが、最近5年間、人気の4歳馬や、軽量が注目を集める3歳馬が勝ったことがない。とくに明快な理由は見つからず、いかにもローカルに突入した福島らしいレース。14頭のうち、12頭までが前回から乗り代わり。6頭がテン乗り。このあたりが難しい結果をもたらす原因のひとつなのだろう。

 なぜか、1番人気馬も2番人気馬も勝っていないが、といって超人気薄が台頭するわけでもなく、マトが絞れない。今年も人気は割れている。勝ちタイムの推測まで難しい。気になる伏兵馬から、小額で手を広げて好配当狙いに出るしかない。

 6歳アドマイヤイナズマから流す。3歳から4歳前半まで「ダート」専門に14戦2勝。4歳後半から「芝」に方向転換して14-1800mを10戦3勝。ところが、この4月からさらに転換、芝1200mに連続4回目の出走である。

 父アドマイヤジャパン(父サンデーサイレンス)は、名牝ブエナビスタ(父スペシャルウィーク)の4分の3兄で、ディープインパクトの3冠を「3,10,2」着の活躍馬だが、種牡馬としては交配数に恵まれながら、JRAの重賞勝ち馬はいまだ0頭。近年、種付け頭数は一ケタに激減してしまった。

 方向転換はこれに関係し、短距離馬だった母アドマイヤドレス(父スピニングワールド)の影響力の方に期待を移そうという意図があるのかもしれない。まだ、結果は出ていないが、初の1200mになった3走前、中山の船橋Sを1分08秒3(33秒6-34秒7)で小差4着に好走している。次の彦根S(京都)は18頭立てで行けなかったが、1分08秒5(34秒8-33秒7)。差して0秒5差だった。

 前回も被されながら1分08秒8。もともと自在型だったが、すんなり行けるなら、1600万突破も見えたのである。

 今回は14頭立てのわりには速い馬は見当たらず、中山とは違って平坦に近い福島。相手をみて思い切って行くことも珍しくない田辺騎手にチェンジ。ポンとハナを切るか、2-3番手に行けそうな可能性がかなりある。調教は決して悪くない。コースは合いそうなので、アドマイヤイナズマ=田辺の福島での一変に期待する。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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