2016年07月05日(火) 18:01
天皇賞(春)のあと、以下のような意見が届いた。
『いつも応援しておりますが、どうも勉強が足りないようですね。天皇賞でのキタサンブラックのマイペースの逃げは菊花賞で経験したはずなのに、また同じことを繰り返していましたね。非常に残念です』
(※編集部注・菊花賞のキタサンブラックは逃げではなく、中団から)
この意見をくれた人は、おそらく「こうなるだろうな」と、自分が思った通りの展開になったんだと思う。だから、「自分でもわかるのに、なんでジョッキーはわからないんだろう」と、もどかしさを感じたに違いない。先週も書いたが、負けて批判されるのは仕方がない。ジョッキーとは、そういう職業だ。
ただ、その時々でジョッキーが何を考え、なぜそうなってしまったのか──改めて解説する機会は少ない。ジョッキーの思惑やレース中の駆け引きを知ってもらうのは、より深く競馬を楽しんでもらうために必要なことだと思っているので、今回はここで天皇賞(春)の顛末を振り返ってみようと思う。
▲ユーザーご意見から、キタサンブラックが勝った天皇賞(春)を改めて振り返る
確かに天皇賞(春)は、自分でも流れと位置取りによっては勝てていたかもしれないと思うレースだ。勝つためには、アドマイヤデウスのポジション(内の6、7番手)がほしかったのだが、シュヴァルグラン4枠8番、アドマイヤ3枠6番という並びもあって、取ることができなかった。・・・
福永祐一
1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。