変に売れていなければ強気に出たい/白川郷S

2016年07月08日(金) 18:00


ダートで一変の可能性大

 福島も中京も準オープンのハンデ戦がメイン。もっとも難しい結果の多いクラスであり、福島の組み合わせは波乱含みではないが、中京は難解。「中京のダート」で勝った記録があるのは、わずか2頭だけ。最近の成績がいいのも、前回1000万を勝った馬だけである。

 初ダートのピオネロ(父ネオユニヴァース)を狙いたい。この1600万条件は1度勝ったことがあるが、クラス成績【1-1-3-5】。10戦すべて「0秒9」以内の勝負に持ち込んでいるが、ちょっと詰めが甘く、伸び切れないことが多い。

 父ネオユニヴァースは、全日本のダート限定リーディングでもだいたい6〜8位に入り、根岸Sのゴールスキー、関東オークスのアムールポエジーなどを送っているから、ダートに不安はない。母クルソラ(父キャンディストライプス)は、今年旋風を巻き起こし、日本ダービーの1〜2着馬マカヒキ、サトノダイヤモンドで名を挙げた「アルゼンチン育ち」の牝系出身で、クルソラ自身がアルゼンチン産の活躍馬。アルゼンチンにはダート競馬があり、のちにアメリカに渡ってBCディスタフ(ダート9F)2連勝など、通算39戦21勝の星を残した女傑バヤコアはアルゼンチン産。頭角を現したのは亜1000ギニーなど、アルゼンチンのダート競馬だった。

 ピオネロの母の父に登場した種牡馬キャンディストライプスは、日本のバブルガムフェローの半兄である。アルゼンチンで生まれ、ウルグアイで無敗の快進撃をつづけ、のちにアメリカのダート競馬で活躍し、ダート2000mだった当時のドバイWC(07年)を勝ったインヴァソールの父となっている。バブルガムフェロー(父サンデーサイレンス)も種牡馬となってからは、主にダート巧者の父だった。

 ピオネロは、血統背景がダートOKというだけでなく、調教駆けするタイプ。さすがに初ダートだけに揉まれて凡走の危険もあるが、すでにこのクラスは勝っている実力上位馬。いつもどおり流れに乗れると、詰めの甘さを出さない可能性がある。オッズしだいだが、変に売れていなければ強気に出たい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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