覚醒して条件クラスの安定株から脱出を/安達太良S

2016年07月15日(金) 18:00


危ない人気馬の典型ではあるが

 出走希望馬の多い1600万条件とあって、抽選での除外馬が「9頭」も出現してしまった。  人気の中心になる5歳セン馬リッカルド(父フサイチリシャール)はデビュー以来すべてダート戦に出走。昨夏に1600万下から降級。500万〜1000万下ではこれまで【3-3-3-2】。めったに崩れることのない安定したタイプだった。ところが、この1600万条件に上がってからは、よくいえばさらに安定感を増した超堅実型になり、【0-4-2-2】となった。だいたいいつも人気の中心であり、馬連、3連複ファンにはありがたい馬だが、馬単、3連単では買いにくい馬の典型である。

 上がり馬や強敵がいれば、2着〜3着付けでいいが、今回は除外馬が多く、勝てそうな組み合わせになってしまったのである。陣営が配してきたのは、目下絶好調の戸崎圭太騎手。これまで1600万条件で1度騎乗し、明確な差のある惜しくない3着。絵に描いたようなリッカルドだった。

 嫌いがいのある人気馬であり、崩れる危険はないが、勝つイメージのわかない人気のリッカルドを、やや懐かしいトーンの「連軸」としたい。危ない人気馬の典型ではあるが、ライバルはもっと危ない馬ばかりだから。

 芦毛のリッカルドは、父フサイチリシャール(その父クロフネ)が芦毛、母キョウエイハツラツ(父オペラハウス)もシルバーシャークからくる芦毛馬。

 母の半兄ワールドクリーク(父マジックミラー)も両親ともに芦毛で、ワールドクリークは東京大賞典など9歳までに51戦【14-2-8-27】の星を残した。

 母の半弟は今年の新種牡馬で、7歳までに【23-4-1-6】の歴史的な成績を残したスマートファルコン(父ゴールドアリュール)。同馬はダート専門になってからは、最後のドバイまで25戦も連続してJRAのレースには出走せず、主催者の異なる重賞にしか出なかったという特異な成績を残している。

 セン馬のリッカルドは、一族の2頭のように大活躍するには、遅まきながらではあるがそろそろ覚醒し、条件クラスの安定株から脱出しないといけないが、勝ち切れるだろうか。

 相手妙味はまくれる小回り向きタマモネイヴィーと、西のトウケイウイン

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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