夏の平坦に近いコースは大の得意/白河特別

2016年07月22日(金) 18:00


波乱の可能性大

 夏のローカル開催でもめったに組まれることのない、1000万条件のメインレース。

 先週のオープンクラスの日曜メインが、Bコースで1分08秒3。500万下の2鞍が、1分08秒5と、1分08秒9だったので、ここの勝ちタイムも「1分08秒台の中盤」か。ハンデ戦である。どの馬でも1分08秒5くらいなら乗り切れそうである。

 明らかに能力上位の馬がいて、その馬が完勝してしまうと波乱度数は低いが、写真判定の接戦になるような年は一転大波乱というパターンができている。今年、人気上位になりそうな馬も、伏兵評価になりそうな馬も、みんな持ちタイムは「1分08秒台前半から中盤」に集中し、春まで1600万下だった4歳馬は2頭だけ。断然人気の中心馬でもない。波乱の可能(危険)性大だろう。

 前回、500万条件をこれまでとは一変のレース内容で快勝した5歳牝馬クリノハッチャン(父ステイゴールド)に期待する。メジロライアンの牝馬にステイゴールドの組み合わせで短距離のスピード型はありえないが、この牝馬、昨年の夏の札幌で500万下の身でありながら、軽ハンデを狙ってオープンのUHB賞(1200m)に挑戦すると、とてもではないが…のドンケツ人気(単勝151倍)ながら、1分07秒5のコースレコードで勝ったエポワスから0秒5差の1分08秒0(上がり33秒6)。12頭立て7着に突っ込んだのである。

 もちろん、勝ち負けを度外視した入着狙いの後方一気だったが、軽ハンデ48キロとはいえ、札幌の芝を1分08秒0で乗り切ったのは事実である。

 それを証明したのが前回であり、500万下とはいえ、上がり33秒7で大外一気。自己最高に近い1分08秒3で、1馬身4分の3差の完勝だった。時計に限界はあるが、1分08秒台前半なら可能。夏の平坦に近いコースは大の得意。ステイゴールド=メジロライアンの組み合わせにふさわしく、タフに走り続け、5歳の今年は格上挑戦の1000万下の中山芝1800mでも上がり33秒7で0秒4差。同じく1000万の阪神芝1600mでは上がり33秒3で伸びて0秒3差の善戦に持ち込んでいるから、格上がり初戦は事実でも、1000万下でもすでに結果を出しかかっているのである。

 今度は同じ福島芝1200mで、1分08秒3で快勝した前回から3キロ減の軽ハンデ。初コンビで絶妙に手が合う可能性を示した杉原誠人騎手(23)が連続して2回目の騎乗。前回の馬体重464キロは、4歳以降では自己最高タイ。地味で目立たないが確実に充実しているから、追い切りも2週連続して前回以上の好タイムで追い切れた。ツボにはまれば……はもちろんだが、好配当を狙う価値はある。手広くいきたい。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

関連情報

新着コラム

コラムを探す