1600mよりむしろ合っている可能性/新潟日報賞

2016年08月12日(金) 18:00


順当はありえない

 過去10年、新潟日報賞が距離1400m(内回り)で行われたこと4回。その4回ともに17頭以上の多頭数のハンデ戦だった。当然、順当はありえない。

 4回の馬券に関係した12頭の中には「9、17、12、6、6、8、10」番人気の馬が含まれ、人気馬同士の組み合わせは一度もない。

 スタートして3コーナーまでの向う正面が約700m近い長い直線で、4コーナーを回ると最後の直線は約360m。多頭数で最後の直線もバラけることはないから、もまれる危険大の内枠有利とはならず、4回ともに「16番」より外の馬が連対しているという記録がある。ロスが大きいとみえても、外枠の馬を消してはいけない。

 そういう外の16番を引いてしまったが、ルメール騎手と過去【1-1-0-0】のオコレマルーナ(父ディープインパクト)から入りたい。

 最近は1600〜1800mにマトを絞っているが、マイルの持ち時計「1分33秒0」ではこのクラスは勝てない。1400mは4歳の夏以来だが、当時、格上がりの1600万下の芝1400mを休み明けで「1分20秒4(上がり32秒9)」で突っ込んだ星がある。2走前は、1600mを上がり33秒2でクビ差2着、前回は東京1800を自己最高の1分45秒5で乗り切っているから、能力の衰えはない。

 ルメール騎手の乗った2回は、ともに後方に置かれることなく、好位〜中団からレースを進めているのが強みか。スプリンターズSを勝ったアストンマーチャンの半弟。本質スピード型を示すように、このクラスの1400mは2戦しただけだが、32秒9と、32秒7でまとめている。短距離はあまり出走していないだけのことで、1600mよりむしろ合っている可能性もある。

 昨年のこのレースを1分20秒4で小差4着のアンジェリック(父シンボリクリスエス)と、人気の4歳馬ブラヴィッシモ(父ファストネットロック)本線に、動きのいいウエスタンメルシームーンクレストなどの伏兵にも手を広げたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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