秋華賞からみる「競馬」

2004年10月20日(水) 11:41

 紙一重どころか大はずれ、でもそこそこの馬たちが上位に来ていた秋華賞だったんですが、ダンスインザムード一本かぶりのレースでは、やはり大はずれでした。

 スイープトウショウがああいうレースをするだろうと確信していても、あんなに大本命が馬がダメとは、とても予測できませんでした。原因ははっきりしています。武豊騎手もあそこまで大汗かいてイレ込んでしまうとはと、レース前からお手上げだったでしょう。

 思い起こすのがオークスの時です。今度と同じようにパドックから普通ではありませんでした。

 これだけすじの通った馬ですから、それでもなんとかなるだろうと願うのも当然。オークスで負けても、アメリカにまで遠征させたのです。そこで、2着とはいえ、それでも強いという印象は残しました。

 今回も、藤沢調教師は、思ったよりよく仕上がったと述べていました。この思ったよりというところに、今度の結果に結びつくものがあったのではないでしょうか。

 人の思いとは異なるダンスインザムードの気持、それを推しはかると、何か見えて来そうです。なかなか人間の立ち入ることの出来ない精神面に、今回の結果につながるものがありそうです。

 競馬は、最後は馬の走りにまかせるしかないもの。万全と思っても想定不可能な事態。大一番に立ち向うときには、懸念するより期待することに強く働く人の思い。これらがからみ合わないこともあるのだと、秋華賞は語っていました。

 さて、菊花賞、道営のコスモバルクには最初から折り合いという課題があります。みんなが承知していることです。これを、厄介なことと考えるか、そうでなくて、思いっきり走らせてみるか。いずれにせよ、結果を意識しすぎないように3000mにチャレンジしてほしいと願うばかりです。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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