新潟は特に合っている可能性が高い/BSN賞

2016年08月26日(金) 18:00


絞れたいまの馬体が本来の姿

 ローカル後半のハンデのオープン特別なので、出走できる鞍がない1600万条件馬が5頭も含まれている。でも、これは出走予定馬が少ないことを見込んだ調教師の適鞍を探す立派な手腕であり、4歳アルタイル、同じく4歳モズライジンなどは有力馬になる力関係でもある。

 札幌で「ワールドオールスタージョッキーズ」が組まれているため、今週は主に新潟で騎乗していた「戸崎、M.デムーロ、蛯名、内田博」騎手が不在で、14頭中の12頭が前回とは異なるジョッキー(うち7頭がテン乗り)だが、ハンデ戦でもあり、馬券の上ではかえって好カードになった。

 その1600万下の4歳馬アルタイル(父カネヒキリ)を買いたい。1000万を勝ったばかりだが、旧1600万組が3頭いたレベルの高い組み合わせを、夏の福島No.1の時計で圧勝している。上がりは36秒6だが、最後は楽々と12秒0のフィニッシュだった。

 3歳時には、ノンコノユメ、モーニンなどと人気を分け合った期待馬であり、ちょっと伸び悩んだ4歳前半は順調ではなく、ビシッと追って締まった体つきではないようなところもあった。絞れたいまの馬体が本来の姿だろう。

 新潟ダート1800mは昨年の夏に1000万特別を1戦しているが、リッカルド(いまや重賞勝ち馬)などを相手に直線一気の楽勝で、1分52秒9。上がりは36秒6だが、最後の1ハロンは楽々と推定11秒6前後という記録がある。もともと左回り巧者だが、新潟は特に合っている可能性が高い。

 今回は格上挑戦とあって楽勝した前回の57キロから5キロ減の52。追い比べになれば、切れ味抜群の特徴がフルに生きるはずである。

 不屈のダート王者カネヒキリ産駒で、母方はゴールデンカラーズ、リーチザクラウン、タップダンスシチー、ディープスカイなどが名を連ねる米ミスカーミー(父TVラーク)から発展する一族。高いダート適性も、豊かな成長力も十分ある。

 初ダートで素晴らしい勝ち方をしたピオネロと、4歳モズライジンが本線。  穴馬は9歳になったが、「12年の関越S1着、13年のBSN賞1着、15年のBSN賞をダノンリバティの2着」し、新潟ダート1800m【2-1-0-0】のトウショウフリーク(父キングカメハメハ)か。多少の衰えはあるだろうが、この夏の1戦を目標にびっしり仕上げてきた。8Rの「新潟ジャンプS」の9歳馬エーシンホワイティもそうだが、この9歳馬2頭の「真夏7〜8月」の成績は合わせて【7-4-3-0】という驚嘆の記録がある。まだ十分に若いから、夏が好きなのである。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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