売り上げ順調なホッカイドウ競馬

2016年11月02日(水) 18:00

北海道2歳優駿を圧勝したエピカリス

北海道2歳優駿を圧勝したエピカリス

おそらく200億円の売り上げは達成できるものと思われる

 いよいよ道営ホッカイドウ競馬も、今年度は今日の開催を含め残すところ後5日となった。昨日は交流重賞の「北海道2歳優駿」が行なわれ、ルメール騎乗の圧倒的一番人気に支持されたエピカリス(牡、中央・萩原清厩舎)が前評判通りの強さを見せ、2着ヒガシウィルウィンに大差をつけてゴール板を駆け抜けた。これで通算成績は3戦3勝となり、ダート界にまた新たなスターが誕生したことを感じさせる圧勝で、今後の活躍が楽しみになってきた。
北海道2歳優駿の口取り風景

北海道2歳優駿の口取り風景

 このところ北海道は例年以上に冬の訪れが早まってきており、ここ日高は積雪こそないものの、寒さは一入である。毎年、10月下旬以降は夜間になると気温が低下するので、競馬観戦にはやや辛い季節ではあるが、今年の場合は、気象条件から考えても来週木曜日(10日)あたりがおそらく限界だろう。

 さて、今年のホッカイドウ競馬は、売り上げがひじょうに順調に推移してきており、去る10月18日に、門別競馬場で開催された第1回北海道地方競馬運営委員会の席上、主催者側から発表があり、4月20日の開幕から10月13日までの計68日間で、計画比15.7%増、前年同日比で19.8%増の166億2898万円となっている旨、翌日の地元紙が報じていた。

 因みに年間開催日数は昨年と同じく80日間であり、この時点で12日間を残しながらも、ほぼ昨年の売り上げ(約169億円)に匹敵するほどの数字を確保できていたことになる。

 その後、10月は、18日〜20日と25日〜27日の第14回開催6日間を消化したが、18日〜20日は、南関が昼間の浦和開催と重なったことから、ナイターはホッカイドウ競馬の独断場であった。18日は3億3293万円、19日は4億3425万円、20日は2億9621万円をそれぞれ売り上げ、この3日間で10億円を軽く超えた。

 25日〜27日は大井競馬と重なったために、いくぶん数字は落ちたものの、それでも、2億8299万円、2億6829万円、2億1238万円と、平均して2億5000万円前後は確保できた。その結果、6日間の合計では18億1092万円となり、これを先に挙げた10月13日終了時点での166億2898万円に上乗せすると、184億3990万円となる。

 10月終了の段階で74日の開催を消化し、残りが6日間。そして、昨日の売り上げ4億2913万円を足すと、188億6903万円。千円以下の端数を省略しているので末尾の数字はやや誤差が出てくるかも知れないが、これでほぼ間違いなかろう。

 残り5日間で11億4000万円以上を売り上げたら、200億円の大台に乗る計算である。1日平均で2億2800万円。最終日には道営記念が行われるので+αが期待でき、よほどのことがない限り、おそらく200億円は達成できるものと思われる。

 因みに今週はJBCが行なわれる川崎競馬と重なり、来週の3日間は船橋との重複になる。ともにナイターだが、11月3日だけは川崎も日中開催になるため、ナイターはホッカイドウ競馬のみ。祝日でもあり、多少の上乗せはありそうだ。

 ところで10月のホッカイドウ競馬を振り返ると、4日〜27日までで4週12日間の開催が行なわれたわけだが、この間に実施された交流重賞は10月13日のエーデルワイス賞だけで、この日は856人が本場に入場し、3億8248万円の売り上げであった。

エーデルワイス賞を制したリエノテソーロ

エーデルワイス賞を制したリエノテソーロ

 10月前半の第13回開催6日間を通じて、この日が最も数字を伸ばしたのはもちろんだが、その翌週18日〜20日は、浦和開催と重なったことから、交流重賞のない3日間でありながら、前述したようにエーデルワイス賞当日を上回る売り上げを記録した日(19日)もあり、競合するナイターの有無によってかなり大きく数字の変わってくることが見て取れる。

エーデルワイス賞の口取り風景

エーデルワイス賞の口取り風景
エーデルワイス賞関係者の集合写真

エーデルワイス賞関係者の集合写真

 ただ、売り上げに関しては、本場や北海道内の各場外(aiba)では、前年割れの状況が続いている(10月13日時点で前年比5.3%減)。その反面、ネット発売はひじょうに好調で、前年よりも3割近い伸びを記録しており、ますますネット依存の割合が高くなっている。これらを考えると、あまり手放しでは喜べない気もしてくる。本場は地理的条件などからやむを得ない面があるものの、せめて道内各地に展開している場外網でもう少し健闘できないものかとも感じる。

 10月18日の北海道競馬運営委員会の席上で、「金利ゼロの時勢に10%のネット発売手数料は高すぎる。値下げ交渉の余地はないのか」との厳しい意見も飛び出したと、地元紙が報じており、このあたりが今後の課題になってきそうだ。169億円でも200億円でも手数料が同じ比率だとすれば、ざっと3億円以上差額が生じる。この差はかなり大きい。

 ともあれ、残り5日間、この勢いを保ったまま何とか無事に開催を終了できるように願うばかりだ。

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田中哲実

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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