2016年12月01日(木) 12:00 77
ジャパンカップ・ダートからチャンピオンズCに名称変更されようが、東京競馬場から阪神競馬場へ、阪神競馬場から中京競馬場へ変更されようが変わらない本質のようなものがある。激突感だ。
強い馬同士(1~3人気)がぶつかり合って、1頭が勝ち負けし、もう2頭が3着以下に敗れる。そんな激突。
それが第1回ジャパンカップ・ダートからずっと続いている。
そう、激しくぶつかり合うから、1・2・3人気同士のワンツーがぜんぜんないのだ。この10年で1度もないだけじゃなく、第1回ジャパンカップ・ダートから振り返っても、ワンツーはクロフネ(1人気)=ウイングアロー(3人気)で決まった01年の1回しかない。このレースだって2人気は8着に敗れた。
ワンスリー(1着・3着)、ツースリー(2着・3着)もこの10年で3回しかない。つまり1人気と2人気と3人気の間には常に4人気以下の馬が入り込む余地があるのだ。
ダートの王者は、逃げ先行タイプが多く、先行してぶつかり合うことが多いから、最後に力尽きて、そこを伏兵馬に狙われるのかもしれない。最優秀ダート馬の称号や、2つしかない中央のG1の勲章がかかっていることも、激突のエッセンスになっているのかもしれない。
わかりやすいのが先週のジャパンカップだ。これは芝のレースだけど、ムーアが「勝つための騎乗をした」とコメントしていた。勝つためにリアルスティールを3番手に位置取らせて、キタサンブラックに勝とうとしたわけだ。結果、5着だったがムーアは「ワンアンドオンリーの位置が欲しかった」ともコメントしていた。ワンアンドオンリーの位置とは、2番手だ。もしかしたら陣営は、大阪杯で横山の典さんが番手競馬でキタサンブラックを差したアンビシャスの競馬を狙っていたのかもしれない。
折り合い難のあるリアルスティールでそういう競馬を狙うムーアはさすがだけど、そのムーアでさえも勝つための競馬をしたら、1着か馬券圏外ということもあるわけだ。
そういう競馬がジャパンカップ・ダート~チャンピオンズカップではずっと繰り広げられている。
以下は過去10年(ジャパンカップダート含む)の1・2・3人気馬の成績。
激突感が満載なことが・・・
かしわでちょうほう
競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。