桜花賞のレベルに早くも達している/阪神JF

2016年12月12日(月) 18:00


2400m級でも能力減はない

 注目のソウルスターリング(父フランケル)が好位のインからスパッと抜けて3戦3勝となった。レース全体の流れは「前半46秒7-後半47秒3」=1分34秒0。

 改装直後の高速の芝で、まして勝ったのがウオッカだった2006年の1分33秒1を別にすると、最近10年では、2007年の1分33秒8(トールポピー)、2013年の1分33秒9(レッドリヴェール)につづく3番目の好タイムである。

 バランスの取れたレースの流れにより、上位5着までに入ったのは、6番人気以内の高い支持を受けた人気馬ばかり(4番人気のジューヌエコールはかかって11着)。勝ったソウルスターリング、そして2着リスグラシュー(父ハーツクライ)は、時計、レースの中身から、文句なしに来季のクラシック候補となった。

 ソウルスターリング自身のレースの中身は推定「前半47秒4-(1000m通過59秒2)-後半46秒6(上がり34秒8)=1分34秒0」であり、同じ阪神の1600mで行われる桜花賞のレベルに早くも達していると考えられる。

 父フランケル(その父ガリレオ)の種牡馬としての優秀性は世界でも確かめられつつあるが、ソウルスターリングの馬体はバランス抜群。力強いスピード型というより、バネの利いた鋭いフットワークが持ち味であり、2000m、さらには2400m級でも能力減はないだろう。C.ルメール騎手とのコンビで仏オークス2100mを4馬身差で制した母スタセリタ(父モンズーン)は、ヴェルメイユ賞2400m(短首差からの繰り上がり)制覇もルメールだった。全10勝中の8勝までが2000m以上の記録がある。どこまで似ているかは分からないが、ルメールは母スタセリタで3歳時に芝2000m以上のG1を3勝している。そんな無形の強みが加わりそうである。

 ソウルスターリングのファミリーは・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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