2016年12月28日(水) 18:30 36
◆池江師「ムーアが教えてくれたことが生きた」
かつてブエナビスタやベガを管理した松田博調教師が言っていた。
「馬は厩舎でしつけて調教するもの。騎手がレースで教えられることはそれほど多くないし、だから日々の積み重ねが大事」
人間のアスリートも同じだろう。試合などの本番の前にその準備をする。「それがすべて」とまで言う人がいるほどフィジカルを鍛錬すること、技を磨くことは重要だ。しかし、自ら言語でコーチとコミュニケーションを取り、時には文献などに頼ることができる人間と違って、サラブレッドにあれこれ言って説くのはそれこそ「馬の耳に念仏」。「緊張するな」と言ったところでイレ込むだろうし、針が振り切ったテンションで人の指示を聞くはずもない。
ただ、「実戦のテンションでしか教えられないことがある」と某騎手が言うのも確か。そして、極限の状況での成功経験ほどその馬のその後に大きな影響を与えるのだろう。それをよく示してくれたのが23日の千両賞を勝ったアルアイン(牡・池江)だ。
デビュー戦は・・・