2004年12月22日(水) 13:47
有馬記念となると、1年中競馬を追い続けている者にとり、出走馬のうち何頭かの馬との関わりが必ずあるものです。どの馬が勝つかの関心はあっても、勝たせたいとの思いが先に立つのもグランプリの特徴でしょう。
私の場合、去年のクラシックからずっと追い続けてきたゼンノロブロイが全てです。
よくぞここまで出世してくれたと、ただただ感謝の気持ちで一杯です。菊花賞の前哨戦、神戸新聞杯の切れ味こそ、ゼンノロブロイの真骨頂と喜んで以来、出走したG1戦での戦い方にあとひとつの不満をずっと持ち続けていました。
今年の春も同じ思いが続きました。母系にスピード色が強く、あの一度見せた凄い末脚はそちらからきていて、もしかしたらこの馬は2000mまでと耳元でささやく者も出てくる始末でした。
ゼンノロブロイの厩舎の先輩にシンボリクリスエスがいます。この馬も、現役時代真っ先に目をつけた馬でした。
この2頭は、いずれも青葉賞を勝ってクラシック戦線にのっています。素質はあっても無理をさせず、ゆっくりと目標を定めていく藤沢流の3歳馬の使い方に好感を持っていて、とにかく、青葉賞を目標に勝てそうな馬という狙いを続けているのですが、シンボリクリスエスもゼンノロブロイも、この考え方に沿って動いてくれた馬たちです。
この考え方で今年の3歳馬の中からピックアップしたのがハイアーゲームでした。ラジオたんぱ杯2歳Sの内容から目をつけていたのです。中山の成績が良くないのが気になっていても、青葉賞は必勝態勢とにらみ、ここまでの首尾は上々でしたが、ダービーで3着になってからは期待に応えてはくれませんでした。ゼンノロブロイ、そしてハイアーゲーム、この2頭を基準に検討を加える自分のG1戦線。中心馬が決まると、競馬は一層面白くなっていきます。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。