2017年03月13日(月) 18:00 40
ラウンジには蹄鉄型の照明も
廃止寸前から息を吹き返した高知競馬場に先月、新スポットが誕生した。高知版「UMAJOスポット」とも言うべき女性専用ラウンジは、子供連れでも地方競馬を楽しめる雰囲気になっている。通年ナイターを導入し、ネット投票での売上げが右肩上がりのおかげで、昨年末には賞金の大幅増額も実施された。また、関西では園田競馬場にも新スポット「お座敷投票所」がオープンする。好調な地方競馬の新スポットをレポートする。(取材・文・写真:大恵陽子)
大阪からバスで約5時間。海を渡った先に高知競馬場はある。“南国・土佐”と言われるように暖かな風が道路脇のヤシの木の葉をなびかせ、街の雰囲気もゆったりとしている。
約9年前、高知競馬の売上げはどん底だった。下級レースの1着賞金はサラリーマンの月収以下。潰れかけだった地方競馬場に2017年2月22日、オシャレな女性専用ラウンジが誕生した。廃止危機からの9年間に一体何があったのか。
高知県競馬組合管理者で、9年前は事務局長をしていた笹岡貴文氏はこう振り返る。
「2008年秋が売上の最低記録でした。もう潰れるしかないかな…と考えていた頃、どうせダメならナイター競馬をやってみたらどうだ、となりました。年が明けて早速、試験走行をやってみたらなんとかなりそうだったので、補助金を活用し5ヶ月後くらいにはナイター競馬を開始しました。早くしないと生き残れなかったんです。『いつラストレースをするか』っていう話も出ていましたから。おかげさまでそこからはずっと売上げが右肩上がりです」
2009年7月に通年ナイター「夜さ恋ナイター」がスタート。そこから毎年売上げは伸び続けている。2012年10月にはIPATによる地方競馬の発売も開始され、伸び率はさらに上昇。昨年の売上げは前年比約130%で、その85%以上を占めるのがネット投票だ。
「全国の競馬ファンの方々に高知競馬を可愛がっていただき買っていただくために、北は道新スポーツから南は九州スポーツまで馬柱はできるだけ掲載するようにしています。そういうお金は惜しみたくありません」(笹岡氏)
高知競馬の売り上げ・入場人員推移
土日にスポーツ新聞を広げれば、JRAの出馬表の隣のページに高知競馬の出馬表を見かけることも多い。それを見て馬券を買う全国の競馬ファンの力で高知競馬は蘇った・・・
netkeibaライター
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