ここで完全復活して宝塚記念へ/鳴尾記念

2017年06月02日(金) 18:00


◆細く映るほどの仕上がりで鋭く動いている

 トゥザグローリー(父キングカメハメハ、母トゥザヴィクトリー)が勝った2012年から、この時期に戻ってきた伝統の鳴尾記念。創設された1951年当時は、目黒記念と同じように年に2回、初夏と秋に行われ、距離も季節も再三再四、変わってきた歴史がある。

 この時期だから、4歳馬の出走は少なく、ベテランホースの出走が多い。7歳馬が3頭いて、その中の牝馬2頭(スマートレイアーデニムアンドルビー)、が人気上位という珍しい組み合わせになった。

 6歳以降、凡走なしに「1・1・4・3・5・2・4着」のスマートレイアーは文句なしに有力だが、6歳以降【0-0-0-5】のデニムアンドルビー(父ディープインパクト)から入りたい。

 昨年いっぱいでもう引退かと思えたが、約1年半にも及ぶ浅屈腱炎の休養からカムバックし、再び活躍できるメドが立ったのが6歳の終盤。ジャパンCをハナ差の2着、宝塚記念をクビ差の2着する能力がありながら、ここまで通算【3-5-1-14】にすぎない。

 G2のフローラS、G2のローズSを勝っただけで引退するのは、かかわる人びとみんなが、残念、もったいないと感じたためだろう。

 7歳の牝馬ながら、まだ通算23戦だけ。この中間は栗東の坂路でそれこそ入念に、ビシビシ追って、速い時計だけでも6本出している。細く映るほどの仕上がりで鋭く動いている。

 阪神コースは、重馬場でムリをしなかった前回と、5着にとどまった4歳時の宝塚記念以外は【2-3-0-0】。前出トゥザグローリーとは「いとこ」の間柄になり、サンデーサイレンス系と、キングカメハメハが順番を変えて配されたファミリーなので、ほとんど同じような血統構成になっている。一族の代表馬トゥザヴィクトリーを筆頭に、非常にタフな牝系でもある。7歳牝馬ながらここで完全復活すると、過去5・2着の宝塚記念にまた挑戦できるかもしれない。

 スマートレイアー、復活なった大器バンドワゴン本線だが、デニムアンドルビーは3〜4番人気と思えるので、伏兵にも少し手を広げたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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