2017年06月19日(月) 18:00 38
▲今年のベルモントSの勝ち馬陣営の様子、海外の取材現場は日本と何が違う? (C)netkeiba
複雑な難しさがついてまわる競馬の取材現場。どうすればよりよい環境が整うのか。現状の問題と課題、未来への提言を、現役騎手、トラックマン、評論家が一堂に会して徹底討論するこの企画。では、他の業界の取材現場はどうなのか? 「海外競馬」「プロ野球」「サッカー」の3ジャンルを比較検証します!
(文:斎藤修)
日本の競馬の取材現場で独特と思うことのひとつに、レース後の騎手のコメント取りが挙げられる。
たしかにレース中の当事者は騎手しかいないので、騎手から話を聞くことは重要だが、それこそが取材のすべてになっているような感じを受けることがある。それゆえ新聞などを読むファンもそれを求めるし、あって当たり前ということになっているのだろう。
海外の大レースでは、主催者が騎手や調教師のコメントを取る係を用意しているか、もしくは地元記者の代表が主催者にその情報を提供し、レースが終わって1時間もすると出走全馬の騎手コメント(場合によっては調教師コメントも)のリリースが出される。紙で出されるだけでなくメールで送られてくることもあるので便利だ。
たしかにテレビやラジオの放送では速報性が求められたり、また記者それぞれに、これだけは聞きたいということもあるだろう。とはいえほとんどの場合、とにかく何かコメントが欲しいということのほうが多いと思われ、JRAが公式のリリースとしてコメントを発表すれば、レース後、騎手の周りに20人も30人もの記者が群がるという状況は解消されると思うのだがどうだろう。
JRAのウェブサイトでは、海外の大レースに日本の馬が出走した時などは、成績とともに騎手・調教師のコメントが掲載されるが、日本で行われているレースではそれがない。せめてGIだけでも、できれば全重賞で、騎乗騎手全員のコメントをJRAのリリースとして公式サイトに掲載してもいいと思うのだが、どうだろう。そうすればファンもそれを見ることができる。
もうひとつ、日本の競馬で独特なのは、馬主の存在が薄いこと。・・・
東奈緒美・赤見千尋
東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。
赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。