軌道に乗ってオープン入りへ/夏至S

2017年06月23日(金) 18:00


◆適性の高さとデキの良さを評価

 6月からのクラス移動に関係している4歳馬は計4頭いるが、5月までオープンクラスだった4歳馬は、プレスティージオ(57キロ)、レッドゲルニカ(58キロ)の2頭だけ。当然、ハンデは重くなった。  残り2頭の4歳馬は、条件再編成を挟んで1000万条件を連勝したシュナウザー(56キロ)と、前回1000万下を勝って1600万条件に盛り返してきたワンダーリーデル(55キロ)。

 1600万条件で実際には戦っていないシュナウザー(父ゼンノロブロイ)のランクがもっとも低いことになるが、コース、距離適性と、目下のデキの良さを評価して上昇中のシュナウザーから入りたい。

 まだキャリア7戦だが、東京のダート1600mに集中して出走し、5戦【3-2-0-0】。そのうち4戦が今回の田辺騎手とのコンビで【2-2-0-0】。連対パーフェクトの成績を残し、先行抜け出しの正攻法で1分35秒台の記録が2回あるのでまだまだ強くなりそうである。幸い強力な同型の先行馬は少なく、今回もすんなり先行できる可能性が高い。

 父ゼンノロブロイは、母の父がマイニング(その父ミスタープロスペクター)であることも関係し、その産駒のダート適性は高い。

 シュナウザーの場合は、母がA.P.インディ産駒のアメリカ血統であり、母の競走成績こそ平凡だが、シュナウザーの半姉オールドパサデナ(父エンパイアメーカー)はダート戦だけの出走で【5-4-1-5】。オープンまで出世している。

 また、輸入される前の産駒ゼットヒューマー(父ディストーテッドヒューマー)は、北米でダート8.5ハロンのGIII勝ちを中心に、5シーズンにわたり34戦【6-2-8-18】のタフな成績を残し、シュナウザーの祖母にあたるチップも、ダート8.5ハロンのGII勝ちを中心に23戦【10-3-1-9】の成績がある。

 シュナウザーは父母ともに早熟系ではないから、軌道に乗ったいま、たちまちオープン出世も可能だろう。

 相手本線は、前出の4歳レッドゲルニカ、プレスティージオ、今度はハンデが軽くなったタフな牝馬クロフネビームス

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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