週刊サラブレッド・レーシング・ポスト

2005年03月08日(火) 13:08

 3月15日に行われる「バレッツ・マーチセール」に向けた第一回目の公開調教が7日(月曜日)、セールの開催場にもなるカリフォルニアのフェアプレックスパークで行われたが、よほどトラック・コンディションが良かったのか、1Fで10秒を切る馬が4頭、2Fで22秒を切る馬が8頭も出現するという、稀に見るハイレベルなお披露目となった。

 1Fの最速時計を出したのは、上場番号177番の父デヴォンレインの牝馬。父はストームキャットの直仔で、種付け料2500ドルというチープな種牡馬。本馬は、母の兄弟にG3シルヴァースクリーンH・3着馬ネヴァーラウンドがいる程度で、牝系も大したことはない。だが、走りは超一流だったようで、1F=9.8秒というモンスター級の時計をマークした。

 1Fを追われた組で注目したいのが、上場番号187番の父デキシーユニオンの牡馬。父は現役時代、G1ハスケル招待HやマリブSを制した馬で、これが2世代目の産駒。本馬は母がG1サンタモニカH勝ち馬デヴィルズオーキッドという良血馬である。これが1F=10.0秒という時計を出したのだから、高値は必至だろう。母がアルゼンチンの重賞勝ち馬で、1F=10.1秒をマークした上場番号60番の父シルヴァーチャームの牝馬や、G2だった頃のブルーグラスS勝ち馬ワイルドシンの半妹で、同じく1F=10.1秒をマークした上場番号120番の父フサイチペガサスの牝馬らも1F組の注目馬であろう。

 2Fの最速時計は、上場番号143番の父ソングアンドアプレイヤーの牡馬がマークした20.6秒。父は、先週のファシグティプトン・コールダーでも出来の良い子が多く、注目を集めていた新種牡馬だ。本馬は、母の兄弟にG3アノアキアS・3着のタイムオヴセイルがいる。

 2F組で注目したいのが、上場番号46番の父ポイントギヴンの牡馬。父は2001年にプリークネスS、ベルモントSの2冠を含めて、3歳時に5つのG1を制して全米年度代表馬になった馬で、この世代が初年度産駒。母メレンゲはG3アンアランデルS勝ち馬で、本馬は昨年のキーンランド・セプテンバーセールで29万ドルで仕入れられている。2F=22.1秒とそこそこの時計をマークしており、これも高馬候補となるだろう。

 バレッツ・マーチセールは、3月13日(日曜日)に2回目の追い切りが行われた後、15日のセール当日を迎える。堅調だったOBSコールダー、高騰したファシグティプトン・コールダーに続いてどんな市場が展開されるのか、おおいに注目したい。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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