週刊サラブレッド・レーシング・ポスト

2005年03月15日(火) 15:56

 今年で10回目の開催を迎えるG1ドバイワールドC(3月26日、ナドアルシバ競馬場)は、日本から参加のアジュディミツオーを含めて8〜9頭立てという、少数精鋭による戦いとなりそうだ。

 昨年プレザントリーパーフェクトとメダグリアドローで1・2フィニッシュを決めたアメリカ勢は、3ないし4頭の代表馬で連覇を狙う構えを見せている。

 その筆頭格が、昨年のBCクラシック2着馬ローゼスインメイ。陣営は早くから今季の春の目標をドバイWCに置き、2月5日にフロリダのガルフストリームパークで行われたG1ドンHをひと叩き(2着)され、万全の態勢を整えての参戦となる。

 3月5日に行われた春の古馬ダート戦線最大のレース・G1サンタアニタHで2着となり、勇躍参戦を決めたのがコングラッツだ。サンタアニタHはリチャード・マンデラ厩舎の1・2フィニッシュだったのだが、「今ドバイで戦えるのは、勝ったロックハードテンよりも、2着のコングラッツ」とのマンデラ師の判断があったものだ。マンデラ師には、前年のプレザントリーパーフェクトに次ぐドバイWC連覇の偉業がかかっている。

 コングラッツと同じアメリカ西海岸から参戦が決まっているのが、チョクトーネイション。前走は2月26日にサンタアニタで行われたG2サンカルロスHに出て4着だった。

 アメリカ勢で出否が定かではないのが、ランディーズライアビリティー。前年のUAEダービーの覇者で、ナドアルシバの馬場を得意としているため、早くから今季のドバイ遠征が計画されていたが、壮行レースとなったサンタアニタHで思わぬ大敗(5着)を喫し、管理するロバート・フランケル調教師が迷い始めた。いずれにしてもここ一両日中には結論が出される模様だ。

 私は先週後半からアメリカのカリフォルニアに滞在しているのだが、こちらでは「連覇を狙うアメリカ勢は今年も強力な布陣」「中でもエースはローゼスインメイ」というのが大方の見るところのようだ。

 3月5日にお膝元のナドアルシバで行われた最終プレップレース、G2マクトゥーム・アル・マクトゥーム・チャレンジ・ラウンド3からは、チキティン、エルムスタンサー、グランドオンブルという、上位3頭が本番に駒を進める予定。これに、サウジアラビア代表のファイアウォール、日本代表のアジュディミツオーが加わって、今年のドバイWCのフィールドが構成される見込みとなっている。

 展開面での予測や、アジュディミツオーの勝機については、次回のこのコラムでお届けしたいと思っている。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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