2017年12月16日(土) 12:00
◆キタサンブラック以外にも…
“今年の漢字”は「北」。ちょっと意表を突かれたような気もしましたが、いつもながら「言われてみれば」という字でした。
その選考理由には、「競馬ではキタサンブラックが活躍した」ことも含まれていました。“今年の漢字”で有馬記念を予想しようとしていた方、もう答えが出ちゃいましたね(そんなこと考えていたのはオマエだけだろ、って? そうかもしれません!)。
とはいえ、キタサンブラックの他にも、「北」に縁がある馬はいるはず。そう思って調べてみました。
まず思い付いたのが、美浦・北きゅう舎の馬。今年は藤沢和雄きゅう舎の馬がダービーとオークスを制覇しましたからね。やっぱり「北」の年だったわけです。これで浮上するのが、金成貴史きゅう舎のサクラアンプルールと堀宣行きゅう舎のサトノクラウンです。
このうち、サクラアンプルールは、14年2月のデビュー戦と翌3月の2戦目で宮崎北斗騎手が騎乗。その後、ホッカイドウ競馬に移籍して門別で2勝し、さらに今年、JRA北海道シリーズの札幌記念で重賞初制覇を果たしました。「北」には“かなり”縁のある馬です。
宮崎北斗騎手のように、「北」の字が付く騎手と言えば北村宏司、北村友一、北沢伸也騎手がいます。キタサンブラックは、これまでに北村宏司騎手の手綱で5回出走して4勝を挙げ、菊花賞も制しました。やっぱりこの馬は強そうですね。
でも、今回、同騎手はルージュバックに騎乗します。このコンビは今年のオールカマーに優勝しているので、中山とは好相性。すなおに「北」を買うならこの馬でしょう(北村宏司騎手が乗るというのが大前提ですが)。
ついでに、サクラアンプルールのような、北海道の競馬場で走ったことがある馬を探してみました。該当したのはカレンミロティック、サウンズオブアース、トーセンビクトリー、ヤマカツエース、レインボーライン。このうち、そこで勝ったことがあるのはヤマカツエースとレインボーラインでした。
もっと目立つことがあるだろう、って? ノーザンファーム生産馬ですか? それはけっこういますからね。登録馬16頭のうち10頭がそうなので、終わってみればそれらが上位を独占してもおかしくないでしょう。
あっ、ちょっと待ってください。ノーザンと言えば、ノーザンダンサーやノーザンテーストの血統というのはいかがですか? 5代血統表を見たら、ノーザンダンサーの血がもっとも多く入っているのはサクラアンプルールとトーセンビクトリー(12.5%)。また、レインボーラインにはノーザンテーストの血が9.38%入っていました。ここでもサクラアンプルールとレインボーラインが出てきましたね。
まぁそんなこと言っても、全馬が北海道の牧場で生まれた馬ですから、「北」に縁がない馬はいないわけです。じゃぁ何のために調べたんだ? ってことになっちゃいますが…。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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